脳損傷後に生じる手の麻痺を回復するためのロボットを用いた適切な治療方法を発見―新時代のリハビリテーションを創造―
更新日:2022年3月11日
本学の総合リハビリテーション学研究科 竹林 崇 教授の研究グループは、脳卒中後に生じる手の麻痺を回復させるより良い方法を検討した研究において、患者さんの障害の重症度の違いに応じて、ロボット(写真)の使い方を変える事で、より効果的な回復を促進することを明らかにしました。
また、これらの知見を広く共有することにより、ロボットを有するリハビリテーション病院においても、作業療法士がロボットを用いて、再現性の高い効果的なアプローチを提供することが可能になり、患者の幸福およびQuality of life(解説)の改善に寄与できることが期待されます。
本研究成果は、2022年2月26日 午後12時(日本時間)に、英国のBioMed Central「Journal of Neuroengineering and Rehabilitation」のオンライン速報版で公開されました。
論文タイトル「Impact of the robotic-assistance level on upper extremity function in stroke patients receiving adjunct robotic rehabilitation: Sub-analysis of a randomized clinical trial.」
- 掲載論文「Journal of Neuroengineering and Rehabilitation」(BMC Part of Springer Nature Webページ)
- プレスリリース 全文(488KB)
本研究のポイント
- 重症度に応じたロボットによる適切な治療法を発見
- 軽症の麻痺に対しては補助を減らした練習が効果的
- 重症の麻痺に対しては補助を増やした練習が効果的
研究者からのコメント
大阪府立大学大学院 総合リハビリテーション学研究科 竹林 崇 教授
最近の脳卒中リハビリではロボットを使う事が多くなっています。ロボットを適切に使用することによって、患者さんの幸福にも大きく関わる手のリハビリをさらに進めていただきたいです。
SDGs達成への貢献
大阪府立大学は研究・教育活動を通じてSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献をしています。
本研究はSDGs17の目標のうち、「3:すべての人に健康と福祉を」等に貢献しています。
研究助成資金等
本研究の一部は、帝人ファーマ株式会社からの支援を受けて行われました。
用語解説
解説 Quality of life
恵まれた環境で仕事や生活を楽しむ豊かな人生をいう。狭義には、特に医療・福祉分野で、延命治療のみにかたよらずに、患者の生活を向上させることで、患者の人間性や主体性を取り戻そうという考え方。
関連情報
お問い合わせ
大阪府立大学大学院 総合リハビリテーション学研究科
教授 竹林 崇(たけばやし たかし)
Tel 072-254-9318 Eメール takshi77[at]rehab.osakafu-u.ac.jp [at]の部分を@と差し替えてください。