宇宙航空人材育成プログラム「超小型衛星開発とアントレプレナーシップ教育を通じた宇宙システム活用人材の育成」が事後評価でS評価 を取得!
更新日:2022年3月9日
2018年度 文部科学省宇宙航空科学技術推進委託費に採択され、本学にて取り組んできた宇宙航空人材育成プログラム「超小型衛星開発とアントレプレナーシップ教育を通じた宇宙システム活用人材の育成(略称:PERSEUS/研究代表者:工学研究科 教授 小木曽 望)」の事後評価が発表され、最高評価のS評価を取得しました。
アントレプレナーシップ教育として一般的な講義の枠にとらわれず、宇宙システム活用人材の育成を目的として取り組んだ6つの施策がいずれも価値が高い取り組みであると評価されました。
特に、宇宙開発は単なる技術の寄せ集めではなく有機的な結合が合って初めて成り立つ領域であることを念頭に、モデル化概念、プロジェクト推進、アイデアの具現化のための発想の実現方法などを学ぶ体制を十分整えており、教育機関として困難なテーマに取り組んだ点や、宇宙科学技術研究センターを設置して事業の継続性を図っている点について、高く評価されました。
研究評価と取り組み
評価点 | 評価点S:優れた成果を挙げ、宇宙航空利用の促進に著しく貢献した。 |
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プログラム名 | 超小型衛星開発とアントレプレナーシップ教育を通じた宇宙システム活用人材の育成(略称:PERSEUS) |
事業期間 | 2018年度~2020年度 |
取組みの概要 |
本課題は、宇宙開発の重点がサービスに移行し、スタートアップ企業の存在感が高まっている新たな流れに適応できる人材を育成するために、「宇宙工学」、「システム思考」、「デザイン思考」、「アントレプレナー教育」と「小型宇宙機設計開発プロジェクト」を体系的に融合した新しい教育カリキュラムの構築をめざした点が最大の特徴である。 担当部局
共同参画機関
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研究代表者のコメント
大阪府立大学大学院 工学研究科 教授 小木曽 望
本事業は、共同参画機関の南部 陽介 氏(株式会社 レヴィ)が、本学の助教として、小型宇宙機システム研究センター(SSSRC)の学生を指導していた頃からの願いが叶ったものであり、その事業が最高の評価を得たことは、この事業を通してのSSSRCの学生たちの成長が認められたことであり、非常に嬉しく思います。
小型人工衛星の研究開発に興味のある学生にとって、ベンチャー企業やアントレプレナーシップは当初は敷居が高く、講演会に学生が集まらないこともありました。しかし、津嶋 辰郎 氏(株式会社 インディージャパン)の経験から、宇宙産業を念頭に置いたキャリアパス教育としてのアントレプレナーシップという考え方が学生に浸透するようになり、講演会の参加者も増え、効果も出るようになりました。特に、学生が自主的に学外のスタートアップウィークエンド、ハッカソン、ビジネスアイデアコンテストなどに参加するようになり、それらを通して学生がさらに成長するという好循環を実現することができました。
私自身は、この事業を通して多くの宇宙ビジネス関係者、スタートアップ関係者に出会い、さまざまなヒントをいただくことができました。それらのヒントを参考に、この事業自体の「仮説検証」を実践し、事業の目的を達成するように舵を切ることができました。
今後は、この経験を活かして、当初の目的であるSSSRCを配下にする学内の教員で組織する「宇宙科学技術研究センター」を中心とした研究拠点・産学連携研究拠点として発展させることをめざしていきたいと思います。
最後に、この事業を進めるにあたって、学内のさまざまな協力を取り付けていただいた藤村 紀文 教授、松井 利之 教授、若木 理恵さん、髙田 真由美さん、事務を司っていただいた柴田 美紀さんに、たいへん感謝いたします。
SDGs達成への貢献
大阪府立大学は研究・教育活動を通じてSDGs17(持続可能な開発目標)の達成に貢献をしています。
本取り組みはSDGs17のうち、「4:質の高い教育をみんなに」、「9:産業と技術革新の基盤をつくろう」等に貢献しています。
関連情報
お問い合わせ
大阪府立大学大学院 工学研究科
教授 小木曽 望
Tel 072-254-9245 Eメール kogiso[at]aero.osakafu-u.ac.jp[at]の部分を@と変えてください。