学生目線で作成した「大阪府立大学環境報告書」を発行
更新日:2019年11月12日
大阪府立大学では、2012年度から学生が作成・編集を行う環境報告書を発行しており、この度、「大阪府立大学環境報告書(2019年度版)」を発行しました。
環境報告書は「環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律」(環境配慮促進法)に基づき発行するものです。本学の学生団体「環境報告書作成学生委員会」(E(え)~きゃんぱすの会)が原稿の作成・編集を行っていることを最大の特長としており、この学生団体が学内外で行っている環境活動や地域の方々と協働している活動の紹介を中心に据えるなど、学生目線で制作しています。
「2019年度版」は、2018年度における本学の社会的責任USR(University Social Responsibility)に関する活動の成果を取りまとめ、外部評価を得て公表することとなりました。全4章、55ページの構成となっています。
2019年度版の特徴は、学生らしく難しい内容をわかりやすく説明する等の工夫に加え、各記事とSDGs(持続可能な開発目標)との関わりを強調するために、すべての記事にSDGsのアイコンを付しています。また、外部評価は5機関(大阪府立環境農林水産総合研究所、堺市、大阪市立大学、関西電力、大阪ガス)の協力を得ました。
(参考)環境配慮促進法では、環境報告書の発行が国立大学は義務付けられていますが、公立大学は努力義務になっています。
目次
- 第1章 環境活動
- 第2章 環境研究・環境教育
- 第3章 環境パフォーマンス
- 第4章 環境マネジメント
E~きゃんぱすの会 代表のコメント
吉田 拓矢さん (工学域 電気電子系学類 電気電子システム工学課程 4年)
2019年度も学生が中心となって、環境報告書を作成することができました。
実際に作成する中で、環境に関する研究を行っている教授、職員の方々や学生など、様々な人と関わりを通して、環境問題の解決に向けて多くの人が強い思いを持って活動していることを感じました。この環境に対する思いが少しでも伝わるように読みやすく理解しやすい編集を心がけました。
これからも、学生主体である特徴を生かして活動し、多くの方々に環境報告書を読んでいただくことを目標に取り組んでいきます。その結果、1人でも多くの方が環境について考えるきっかけになることができたら、非常に嬉しく感じます。
E~きゃんぱすの会について
環境報告書の作成を行う学生団体。同書の作成を通じて、「環境」をアピールポイントとする本学のさまざまな取り組みを発信しています。また学生の「巻き込み力」「立場」を活かし、環境に配慮したキャンパス作りをめざす活動も行っています。
「大阪府立大学環境報告書」作成のこれまでの経緯
- 2005年4月
(環境配慮促進法が施行)公立大学は努力義務にとどまることもあり、大阪府立大学ではしばらくの期間、環境報告書を発行していない状態が続く。 - 2010年度後半
この状態に危機感を持った学生有志が「学生で環境報告書を作ろう」と立ち上がり、21世紀科学研究機構エコ・サイエンス研究所(現・研究推進機構環境教育研究センター センター長 兼 人間社会システム科学研究科 教授 大塚 耕司)に申し入れ。学内の環境対策の推進について検討していた教職員側とも意見交換。 - 2011年4月
エコ・サイエンス研究所内に「環境報告書作成学生委員会」を設置。愛称を「E~きゃんぱすの会」、マスコットキャラクターを「ぷろせすたん」とする。
学生自らが、環境に関するデータの収集解析、環境活動を行う学内外の関係者へのインタビュー等を進め、原稿作成を開始。 - 2012年9月
「大阪府立大学キャンパス環境対策推進会議」(議長 理事長)の承認を得て、初号として「大阪府立大学環境報告書(2012年度版)」を発行。 - 2013年8月
E~きゃんぱすの会が「おおさか環境賞」準大賞を受賞。 - 2013年9月
2013年度版を発行。表紙は美術部翠陵会が協力。(以降、毎年度表紙は学生が担当) - 2016年2月
サステイナブルキャンパス推進協議会(CAS-Net JAPAN)の「サステイナブルキャンパス評価システム」により、大阪府立大学はゴールドレートに認定。 - 2016年10月
大学改革により「大阪府立大学キャンパス環境対策推進会議」が廃止されたため、「企画・戦略会議」(議長 理事長)に諮って2016年度版を発行。 - 2019年11月
「大学執行会議」(議長 学長)に諮って8冊目となる2019年度版を発行。
SDGs達成への貢献
大阪府立大学は研究・教育活動を通じてSDGs17(持続可能な開発目標)の達成に貢献をしています。
本書はSDGs17のうち、「1:貧困をなくそう」「2:飢餓をゼロに」「3:すべての人に健康と福祉を」「4:質の高い教育をみんなに」「5:ジェンダー平等を実現しよう」「6:安全な水とトイレを世界中に」「7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「8:働きがいも経済成長も」「9:産業と技術革新の基盤をつくろう」「10:人や国の不平等をなくそう」「11:住み続けられるまちづくりを」「12:つくる責任 つかう責任」「13:気候変動に具体的な対策を」「14:海の豊かさを守ろう」「15:陸の豊かさも守ろう」「16:平和と公正をすべての人に」「17:パートナーシップで目標を達成しよう」に貢献しています。
関連情報
お問い合わせ
大阪府立大学 研究推進機構 環境教育研究センター(担当 北田・山本)
Tel 072-254-9397