本学内に寄附講座 Laboratory of Advanced Food Process Engineering(食品プロセス工学研究室)を開設―米、野菜、海藻に至るまで、食品の高付加価値化に挑戦―
更新日:2019年9月30日
大阪府立大学、北大阪農業協同組合、フジッコ株式会社、有限会社IPEの4者は、2019年10月1日(火)より、大阪府立大学に寄附講座「Laboratory of Advanced Food Process Engineering(食品プロセス工学研究室)」を開設し、農業現場から消費に至るまでのフードシステムの構築に関する新しい取り組みを行います。
概要
設置場所 | 大阪府立大学 研究推進機構 生物資源開発センター(大阪府堺市中区学園町1番2号) |
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講座名称 | Laboratory of Advanced Food Process Engineering(食品プロセス工学研究室) |
担当教員 | 北村進一(寄附講座 特認教授)、鈴木志保(寄附講座 特認准教授) |
設置期間 | 2019年10月1日~2021年9月30日(2年間) |
特徴
- 高付加価値米、培養海藻類、クレソンなどの機能性野菜を主な研究対象とする。
- 本学と3者それぞれの共同研究や取り組みの実績を基とし、今回の講座開設に至る。
- 食品の安全性や非破壊的な品質評価システム等について研究するとともに、食品加工での廃棄物管理、副産物利用、省エネルギーを融合、その成果を事例研究する。
- ベトナム科学技術アカデミー、ノルウェー科学技術大学との共同研究や、ベトナムからの関連分野の人材受け入れと教育にも注力する。
寄附講座「Laboratory of Advanced Food Process Engineering」詳細
「Laboratory of Advanced Food Process Engineering(食品プロセス工学研究室)」は、2017年よりエースシステム株式会社の寄附により、大阪府立大学に設置され、主に加工技術として過熱水蒸気調理や超臨界二酸化炭素抽出、湿式微粒化処理による分解・分散に焦点を当てて研究を進めてきました。これまで得られた食品加工の基礎研究の成果を応用するために、2019年10月1日より、新たにフジッコ株式会社、北大阪農業協同組合、有限会社IPEによる寄附講座を開設し、農業現場から消費に至るまでのフードシステムの構築に関する新しい取り組みを行います。
本寄附講座では、高付加価値米、培養海藻類、クレソンなどの機能性野菜を研究対象として、食品の安全性やおいしさにつながる食感の情報処理解析などの非破壊的な品質評価システムについても研究するとともに、食品加工での廃棄物管理、副産物利用、省エネルギーを融合し、その成果を事例研究としていきます。
さらに、ベトナム科学技術アカデミー(VAST, Vietnam Academy of Science and Technology Institute of Chemistry)、ノルウェー科学技術大学(NTNU , Norwegian University of Science and Technology)との共同研究やベトナムからの関連分野の人材受け入れと教育にも注力いたします。
研究背景(北村進一 特認教授コメント)
私たちの食卓に供される農産物や天然物などの食品は、消費期限を延長し、物性・生理活性・食感を保持させるため、さまざまな方法で加工されています。我々の研究グループでは、2017年より寄附講座「Laboratory of Advanced Food Process Engineering(食品プロセス工学研究室)」を立ち上げ(寄附者:エースシステム株式会社)、加工技術として過熱水蒸気調理、超臨界二酸化炭素抽出、湿式微粒化処理による分解・分散に焦点を当てて研究を進めてきました。
今回、これまで得られた食品加工の基礎研究の成果を実践の場に応用するため新たな寄附講座を開設し、農業現場から消費にいたるまでのフードシステムの構築に関する新しい取り組みを行います。研究対象の食材は高付加価値米、培養海藻類、クレソンなどの機能性野菜です。
これまでに、北大阪農業協同組合では、機能性米を大阪府下で栽培しており、フジッコ株式会社は、海藻類の利用について共同研究を行ってきました。また有限会社IPEは、大阪府立大学発ベンチャー企業で、食品多糖類の標準品や先進的な分析を実用化してきました。各社は、大阪府立大学の取り組みに賛同し、本寄附講座を開設するに至りました。海外の研究機関との共同研究や人材受け入れなども含めて、研究・人材育成を進めていきたいと考えています。
お問い合わせ
大阪府立大学 研究推進課(担当 辻本)
Tel 072-254-9804