大阪府立大学が学内発エネルギーの非常時供給を開始
更新日:2019年6月11日
発表のポイント
- 災害発生など非常時に、学生が周辺住民に対して学内生産したエネルギーを供給
- 学内で発生する廃油をリサイクルし、バイオディーゼル燃料生産のうえ電力化
概要
大阪府立大学は地域貢献事業として、教職員および馬術部・自動車部(共に学生クラブ)の学生による大学周辺域住民に向けた電源供給拠点運営(非常時に限り)を開始します。
現在、キャンパス内の生協食堂および大学周辺域の廃食用油を学内プラントでリサイクルしてバイオディーゼル燃料(以下、BDFという)を生産、そのBDFを専用発電機で電力化しています。平常時は馬術部で発生する馬糞の堆肥化処理など各種資源循環の実践および研究に活用しており、その維持管理を自動車部所属の学生が担っています。
今回の小規模電源供給拠点の形成は、災害発生などの非常時に大学周辺域住民に対して、教職員・馬術部・自動車部学生が携帯電話等の小型電子機器を対象として開始するもので、徳本 勇人 理学系研究科 講師(専門:生物機能科学、資源循環工学研究所 研究員を兼務)が主として推進し、馬術部(顧問:齊藤 丈靖 工学研究科 教授)、生命環境科学域附属教育研究フィールド(大江 真道 生命環境科学研究科 准教授)と連携して行います。
なお、BDF専用の発電機(7kVA)は2台あり、標準的な一軒家の3~4軒分の電力量に匹敵します。
また、2019年1月に大学内に新設された研究所「地域防災センター」(所長:伊藤 康人 理学系研究科 教授)とも連携し、学内生産したバイオマスエネルギーを、資源循環利活用するだけに留まらず、非常時の備蓄エネルギーとしても想定する新しい活動の一拠点として、今後機能していく予定です。
プロジェクト担当教員コメント(理学系研究科 講師 徳本 勇人)
大阪府立大学には、学生、教職員を合わせて約11,000人が3つのキャンパスに集っています。また、中百舌鳥キャンパスの敷地面積は広大で、バイオマスエネルギーの利活用と相性が良い、教育研究フィールド(5 haの圃場で、都市部の大学では珍しい)をキャンパス内に有しています。
これまで、大学内設備および人数と、得られるバイオマスエネルギーとの相関を解析し、学内資源循環プロセスを実践してきました。
バイオマスエネルギーは身近なものから得ることができますが、供給は不安定で、既存のインフラとの併用が現実的です。そこに本学の多彩な学生クラブの特異性を組み合わせれば、防災を始めとする社会貢献に資するアイデアが、数多く大学内に潜在していると考えています。
プレスリリース全文(450KB)
SDGs達成への貢献
大阪府立大学は研究・教育活動を通じてSDGs17(持続可能な開発目標)の達成に貢献をしています。
本研究所はSDGs17のうち、「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」に貢献しています。
関連リンク
- 大阪府立大学 理学系研究科 生物機能科学グループ
- 大阪府立大学 地域防災センター(21世紀科学研究センター)
- 大阪府立大学 資源循環工学研究所(21世紀科学研究センター)
お問い合わせ
大阪府立大学大学院 理学系研究科
講師 徳本 勇人
Tel 072-254-9841 Eメール tokumoto[at] b.s.osakafu-u.ac.jp[at]の部分を@と変えてください。