世界初!犬のストレス状態をリアルタイムに評価する解析手法を開発
更新日:2017年2月20日
愛犬の「心の状態」を理解する手助けに
世界初!犬のストレス状態をリアルタイムに評価する解析手法を開発
公立大学法人大阪府立大学 生命環境科学域附属 獣医臨床センターの島村俊介准教授の研究グループは犬の自律神経の活動状態を心拍変動から評価できる解析手法を開発しました。
研究成果のポイント
- 心拍変動の時間領域指標による犬の自律神経活動評価に成功
- 短時間のサンプリングでの評価が可能なため、犬の状態をほぼリアルタイムで把握することが可能
- 本研究に用いた心電測定用の機器は、シャープ株式会社研究開発事業本部と共同で新規開発したウェアラブルセンサーを使用。今後は、本解析手法を実装したセンサーおよびシステムの開発に引き続き取り組む予定
これまで、人と同様に犬の心拍変動から自律神経機能を評価する試みが行われてきました。しかし、人と比べて安静時呼吸数が小さく呼吸数変動や個体差が大きい犬においては、周波数領域を指標とする心拍変動の解析は困難とされてきました。本研究では、周波数領域指標とは異なる時間領域を指標とした心拍変動解析に着目し、犬におけるプロットの分布変動を解析するシステムを開発しました。その結果、人為的な安静あるいは緊張状態においた犬の心拍情報から、安静あるいは緊張といった「犬の心の状態」を評価することができました。
このような動物の状態を解析するシステムは、犬の心的状態やストレスを人間が理解するためのツールとなり得ます。また、長期にわたって観察することで体調の変化をいちはやく察知することができれば、犬の健康管理や疾病の早期発見、治療の評価などの獣医医療分野への応用が期待されます。
本研究に用いた心電測定用の機器は、シャープ株式会社研究開発事業本部と共同で新規に開発したウェアラブルセンサーを用いました。今後は本解析手法を実装したセンサーおよびシステムの開発に取り組みます。

開発中のウェアラブルセンサーを装着した様子
- プレスリリース全文(341KB)
お問い合わせ
公立大学法人大阪府立大学 生命環境科学域附属 獣医臨床センター
准教授 島村 俊介
Tel 072-463-5832 Eメール shimamur[at]vet.osakafu-u.ac.jp[at]の部分を@と変えてください。