大学広報誌OPU Vol.02「紡」
7/44

さんのお客様にご利用いただいている家電とパソコンでは、提供するメーカーの商品に対する見方は大きく違うと思います。―開発のスピードが速く、競争も激しいこれからの時代、技術者に一番求められるものは何でしょう?21世紀は時間軸の競争です。技術も年25%が陳腐化する時代です。こんな時ほど「不易流行」という言葉を思いおこして欲しい。変化が大きいからといって右往左往すると自分が分からなくなります。不易の部分をきちんと持ち、流行の部分もバランスよく見る。そんな思考体系を持つ技術者でないと生き抜けません。またこれからの技術者には、グローバルにどこと共同開発をしていくのかといった視点も必要です。昔のように一人こもって研究や開発ができる時代ではないのですから。―これから大学で学ぼうとしている人に、大学時代に何を身につければいいのか、何を学べばいいのかアドバイスをお願いします。大学は学識を学ぶところではありません。自分は何に向いているのか、何に興味を持っているのか、どういう方向で生きようとしているのかを見つけるところです。その為には真剣に生きてほしい!深く考えてほしい!時間のある大学時代に、考えて悩んでつかんだものが、社会に入ったときに不易として自分の中に残るでしょう。日本の企業が求めているのは、「考える力を持っている人」です。―府大へのメッセージをお願いします。私から見ても府大は実学にたけて、不易流行の視点も持ち、バランスのいい大学でした。これは是非とも堅持していただきたい。―最後に、超多忙な古池副社長のストレス解消法を教えてください。私は諸行無常という言葉が好きでしてね。すべてのものは変化するということです。変化を認め、変化の中に身をゆだねても揺るがない自分、つまり不易があればいいわけで、そう思うと忙しさも私はまったく苦にならないのです。ゴルフは好きですが、なかなかうまくならなくて、こちらはストレスになっているかもしれません(笑)。大学時代のいいところは、深く考える時間があることです。考えて悩んでつかんだものが、その後の人生の「不易」部分として残ってきます。技術革新のスピードが速い時代こそ、「不易流行」の『不易』を大事にして欲しい…06

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です