大学広報誌OPU Vol.02「紡」
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│初めて小説を書かれたのは高校時代だそうですね?子どもの頃からずっと、書くことが大好きで…。詩とかマンガとか、ノートやテストの裏にいつも書いていました。最初に小説を書いたのは高校2年生の時です。高校時代には2本、書きました。│高校時代は、どんな女の子でしたか?私のいた府立市岡高校は自由な学校で、好きなことが何でもできて、楽しい高校でした。そんな中で、友だちからは「悩むのが趣味」と言われていました。ひたすら考えることが好きでしたね。│高校時代のクラブ活動は?映画部に所属していました。カメラ好きの友だちが撮影して、私が脚本・主演で、といっても私がひたすら近所を歩いているだけなんですが。映画のタイトルは『散歩』でした(笑)。│大学進学にあたって大阪府立大学を選んだのは、何か理由があってのことですか?高校時代の倫理社会の先生の授業がおもしろかったのがきっかけで、哲学に興味を持ちました。哲学の本を読むのも好きでしたが、映画もテレビもマンガも私の好きなものはみんな最終的には哲学に行き着く、そんな思いもありました。当時の府大の総合科学部総合科学科では、現代思想、歴史、地理、美学、美術史などが専攻できました。一浪中に興味が一時美術史の方に向いたのですが、それも学べるので府大に入学しました。│入学したときの府大の印象は?第一印象は、広いな〜!と。大阪市生まれで小・中・高とずっと大阪だったので、どの学校のグラウンドも狭く、余計に府大のキャンパスの広さが印象的でした。柴崎友香OPUInterview04私は総合科学部だったので正門から教室まで近かったけれど、農場がキャンパスの奥にある農学部の学生は、学内移動用の自転車を持っている人も多かったです。│当時の府大はどんな雰囲気の大学でしたか?高校時代の友人が入学した他の大学と比べると地味で、学生もまじめな人の多い大学でした。そこが私は大好きでした。全体にのんびりしていましたね。授業中に窓の外を見たら、近所の保育所の子どもたちの散歩の最中で、小さい子が遊んでいたり。在学中には、池のところでお花見しながらバーベキューもしました。│大学では、何を専攻されましたか?総合科学科の1・2回生の時はコースが分かれていなくて授業選択は自由でした。毎週違う先生が講義をされる授業もありました。そこでたまたま出会った地理の授業にひかれて、結局、専攻は地理学になりました。│地理学のどこに魅力を感じたのですか?先生が授業で「大阪は大阪城を中心に縦軸と横軸がひかれ、道は碁盤の目のようになっている。道修町、淡路町といったようにお店が通りに面しているので、ブロックではなく道を挟んでひとつの街ができあがっている。そして、大阪城から西に向かって1丁目、2丁目、3丁目となっている」といったようなことを話されました。私が大阪生まれの大阪育ちなもので、自分の街がそんな風にできているのかと思うと地理学に興味がわいてきたのです。いま注目の若手作家・柴崎友香さんに、府大時代の思い出と作家をめざした経緯などをお聞きしました。柴崎友香「大学生という時間」を語る。35

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