大学広報誌OPU Vol.02「紡」
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外国語の勉強方法を車准教授にうかがった。「ビデオやDVDを見るなどいろいろな手段がありますが、私は伝統的なやり方も大事にしています。学生には単語や決まり文句をしっかり憶えるために、カードで単語帳をつくって、それをシャッフルして何度も使うことを薦めています。クロスワードパズルをつくって学生にゲーム感覚でやってもらうこともあります。そして、大事なのが声を出して読むこと。音読はとても大事です」「そういった勉強法以外にも、どうしたら語学の面白さ、楽しさを伝えられるのか?私は教える立場としてもっと勉強したいし、経験も積みたいと考えています。」総合教育研究機構では、生涯教育の一環として府民を対象にした公開講座を開催しており、車准教授は「ハングル入門講座」を担当、毎回人気を集めている。「学生と違ってさまざまな年齢の方と触れあうことで新しい発見があります」また、2006年6月には、これからの外国語教育の在り方を考える『初修外国語考察週間』で、フランス語のパンジエ准教授とともに研究、発表を行った。「発表すること、それ自体が自分のやり方を見直すことにもなったし、参加者の方々と意見を交わすことができたのは私にとって、とても良い経験になりました」車准教授がよく使う韓国の諺に「始まりは半分」という言葉がある。なにか事を始めたら、それはもう半分成し遂げたのと同じ。すぐに行動に移そう、実行しようという意味なのだそうだ。「語学の勉強を始めたら、それはもう半分成功したのと同じです。自外国語を勉強し、異文化に接することによって視野が広くなります。そこで日本をもう一度見つめ直してみることが、人間的成長につながるでしょう。3年生になっても韓国語の魅力にひかれて朝鮮語IIIを履修中の学生のみなさん。語学の勉強は、始めたらもう半分成功したようなもの総合教育研究機構「ハングル入門講座」で車准教授の講義に熱心に聞き入る受講生。公開講座なので受講する人の年齢も職業も多種多様。信をもってすぐに始めましょう」そして最終的には、学んだ外国語で自分のこと、家族のこと、故郷のこと、自分の周囲のことを自分の言葉でしっかり伝えてほしいと語る。自分の意見をはっきりと表明しないと国際社会では成熟した人間として認めてもらえない。「大切なのは外国語が話せることではなく、その言葉で何を語るかということなのです」この車准教授の言葉は、国際化時代に生きる日本人へ多くのメッセージを含んでいる。30

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