大学広報誌OPU Vol.02「紡」
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しかし、普段から落語や漫才を聞いている人や、涙が出るくらい爆笑する人の方が還元傾向が強いのは事実。暮らしの中で、よく笑う人ほど笑いの効果は大きいようだ。池田准教授が運ぶ「笑い+健康パック」の対象者は、慢性病をもった人だけではない。ストレス度が非常に高いといわれる看護師もぜひ笑いの効用を知り、実践して欲しいという。看護の現場では、患者の生き様や死生観を突きつけられる場面にしばしば遭遇する。忙しく厳しい3交替勤務もあり、看護師にはバーンアウト、つまり仕事に燃え尽きてやめてしまう人も多いそうだ。「看護師さんに笑いやユーモアを持った生活をしてもらい、ストレスが軽減できれば、それは患者さまにとってもいいことです。看護師さんに笑顔がないといいケアができませんから」ストレスいっぱいの生活の中で、楽しく笑うための方法を池田准教授にたずねてみた。「物事を違う角度から見直しましょう。視点を変えることで楽になり、新しいヒントがひらめいたりします。視点転換の技術を身につければ、誰でもユーモア力をつけることができますよ!」池田准教授は「お笑いの出前と健康ばなし」のパックで病院等に出向いたとき、観客の中から協力者を募り、公演の前後の唾液を採取し、その変化を測定している。「唾液の酸化と還元を計る電位測定を行っています。電位測定はすぐその場でデータが取れますし、血液検査のように痛みを伴わないというメリットもあります」落語や漫談を楽しんだ人の唾液は還元状態にあり、ストレスが和らぎ、健康状態が良くなったことを示すケースが多い。しかし、中には公演の前後でまったく変わらないケースもあるという。「個体差の研究はこれからの課題」とも語る。ワッハッハと笑いましょう。ユーモアの種を探しましょう。自然治癒力や免疫力が高まり、ストレスも軽減されます。看護学部 看護学研究科唾液による笑いの効用の分析人間の「唾液」による酸化状態と還元状態-160mV~40mVが好適値。26看護師さんはぜひユーモア力をつけて欲しい

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