大学広報誌OPU Vol.01「新」
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されている。前者のプログラム修了者には経営学修士(MBA)が、後者のプログラム修了者には経済学修士の学位が授与される。「アメリカではMBAの取得は大きな会社の経営者になるキャリアパスのひとつです。理系の大学を出ても、大学院で経営学を学んでトップになるという経緯の人も多くいます。日本では必ずしもそういう道ができているわけではありませんが、今後はMBAは価値ある資格になってくるでしょう」これからの日本は、形だけの学歴よりも、何を学んだのかを問われる時代になってくる。本当に自分が学びたいもの、実業界で力不足を感じたものを得るために、社会人で大学院に入ってくる人が増えるだろう。サテライト教室が求める学生は、『専門分野についての基礎知識を備えた人』『外国語の能力に優れ、国際感覚が豊かな人』『論理的な思考能力を持ち、分析力のある人』となっている。しかし、大学を出て何年もたつと、最も衰えを感じるのが語学力。英語が大学院入試に課されるところが多いことから、大学院入試に二の足を踏んでしまう社会人も多い。「我々サテライト教室の入試に英語はありません。私たちが問題としたいのは、これまでの経験知識を生かして大学院で勉強し、学んだことを実業界にフィードバックしていただけるかどうかです。そういう能力がある方には、どんどん来ていただきたい」大学院は決して敷居の高いところではない。しかし、熱心に学ばない限り、簡単にはMBAや経済学修士号はとれないというスタンスは、今後の日本の高等教育の在り方を示していると言えるだろう。また、ここで大学院生として学ぶ人たちの中には医療関係者も少なくない。いまや病院も経営ということに対しても真剣に取り組む「知的な情報の創造と発信は、街の付加価値を生み出す機能として重要です。そして、これが大学の使命でもあるわけです」大阪府立大学大学院経済学研究科サテライト教室のある「なんばパークスタワー」。学生の年齢層は20代~60代。多彩な業界の人たちの人的ネットワークも築かれつつある。入試は、論文および研究計画書と口述試験のみようになってきており、病院をマネジメントするという意識も強くなってきた。自治体も社会福祉組織も同様である。彼らの学びや現状の仕事に対する個別相談にも、山本教授は気軽に応じている。「学ぶのは一生!終わりはありません」若い人たちへの山本教授からのメッセージである。経済学部・経済学研究科22

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