高度人材センターご案内
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IDec GUIDETetsuya Takahashi大阪府立大学副学長(統括)・教育推進本部長高橋 哲也整数論が専門で、p進体上の代数群の表現論という基礎研究に従事していたが、代数曲線暗号や数学教育といった実用的な研究に移り、大学全体の管理職をするなか、高等教育自体の研究を行っている。高度人材育成センター(IDec)はイノベーションを創出する人材を養成します! 産業界で輝く博士研究人材の育成を目指し、平成20年、文部科学省 科学技術振興調整費による支援のもと、21世紀科学研究機構内に産学協同高度人材育成センター(IDec)が設立されました。(平成29年4月からは、高等教育推進機構 高度人材育成センターに組織変更) センターでは産業界の第一線で活躍されている多くの方々のご助言を得て、イノベーション創出型研究者養成講義と題された一連のカリキュラムを開発、以後12年に渡り改良を重ねながら運用し、産業創出への強い意欲、研究シーズをビジネス展開するための突破力、研究マネージメント能力、人を惹きつけるリーダーシップなどを備えた高度研究人材の育成に努めてまいりました。この間、140名を超える博士後期課程学生、ポストドクターが、企業における3か月以上の長期インターンシップを経験し、今ではその多くが産業界で力を存分に発揮し、活躍しています。これら本学が実施してきた取り組みは、文部科学省から幾度も高い評価を頂くと同時に、大阪府立大学を育った博士人材の高度な研究能力と多様性を産業界の皆様にも御認識頂けるようになって参りました。センターでは、これらの取り組みを大学院共通教育科目として整備し、大学院生の皆様に提供します。 今日の大学にはイノベーションの担い手となる自由で大胆な発想をもった若手高度研究者・アントレプレナーの育成という、従来になかった新しい役割が求められています。 本学は、平成26年に文部科学省科学技術人材育成費補助事業「グローバルアントレプレナー育成促進事業(EDGEプログラム)」、さらに平成29年には「次世代アントレプレナー育成事業(EDGE-NEXT)」の採択を受け、上述したような素養を持った博士研究者育成の取り組みを発展させてきました。それに加えて、イノベーション創出の活性化のため、研究開発成果を基にしたベンチャーの創業や既存企業による新事業の創出を促進する人材の育成、ベンチャーキャピタル等も含む連携機関によるイノベーション・エコシステムの形成を目的とした取り組みを実施しています。Fledge(「羽毛が生えそろった」「巣立ちができる」といった意味を持つ)と名付けたこのプログラムでは、まさに起業を目指す人材の育成に実践的に取り組んでいます。ビジネスアイデアコンテストの実施やi-WS(IdeationWorkshop)と名付けたアントレプレナーの出会いの場の提供など、様々な企画を推進するとともに、教育カリキュラムとして系統的に整備し、学生の皆さんに受講して頂きます。 全学の博士後期課程のみなさん、博士研究員のみなさん、また博士前期課程の学生さんもぜひ「産業界で輝く博士」を目指し、これらのカリキュラムやイベントを有効に活用して頂ければと思います。また、企業の皆様には、「産業界で輝く博士」の養成に対し引き続き力強いご支援をお願い申し上げますと同時に、ぜひセンターで実施する取り組みをご活用くださればと存じます。本誌IDecインフォメーションがそのための一助となれば幸いです。01

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