平成28年度版(平成27年度報告)環境報告書
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大阪府立大学環境報告書 1 平成27年4月に就任された辻洋学長を、E~きゃんぱすの会の田中大樹、桑木雅史、河添修平の3名が訪問し、大阪府立大学における『環境のこれから』について、対談しました。 新しいキャンパスビジョン Q 中百舌鳥キャンパスでは、これまで、キャンパス全体をビオトープと位置付け、生態系にも配慮しながらキャンパスの整備が進められています。また、学生主体の「環境報告書」の作成や学生環境推進員の選任等、学生とともに環境対策が推進されています。その結果、サステイナブルキャンパス推進協議会(CAS-Net JAPAN/51ページ参照)において、大阪府立大学の環境取組は全国的にも高く評価され、“環境大学”と言える地位を確保しつつあるように思います。 キャンパス環境対策の今後の取り組みについて、辻学長のビジョンをお聞かせください。辻:社会的規範、言わば「皆が行っているのが標準」というものがあります。大阪万博の前は、ガムもタバコもポイ捨てをしていて、それが普通の感じでした。私も「そんなもんだ」と思っていました。それが社会的規範というもので、万博を機に「それは国際的ではない」と変わったと思います。そのような世界に通じる“OPU規範”というものがあれば良いと思います。自転車をキレイに並べるようなことをもっと進めてほしいとも思っています。 最近よく言っているのは、朝、大学に着いた時、門に立っている守衛さんが「おはようございます」と言っても、みんな頭を下げて黙々と歩いている。「挨拶を積極的にし、挨拶されたら挨拶を返す」というOPUスタイル、OPU基準というものを作っていきたいと考えています。 先日、台湾で「CO2削減の時代からH2Oの時代へ」という講演を聴きました。CO2は二酸化炭素、Hの一つ目はヘルスケア(健康)です。君らのような若い内は良いけれど、これからは医療になるべくかからない健康寿命を考えないといけない。もう一つのHはハピネス(幸せ)の追求です。Oはおもてなし。それらのH2Oという考え方を参考にしたいと思います。一つのキーワードにしたいですね、『CO2からH2Oへ』。 環境面の教育ビジョン Q環境面の教育について、大阪府立大学では、平成22年度に全学域(当時は学部)・大学院を対象とした「環境人材育成教育プログラム」が始まり、平成24年度には現代システム科学域環境システム学類が設置される等、卒業後の社会生活の中で必要となる環境に関する知識、スキル、マインドが身に付く教育が進められてきたと聞いています。辻学長の環境に関する教育ビジョンをお聞かせください。 辻:直近のことを考えるのではなくて、遠くのことを考える思想が重要と思います。何か難問が与えられた時に、それに押しつぶされるのではなくて、さっとかわしていろいろな案を考える。今まで人が考えつかなかったような案を。そんな能力が必要とされるのではないかと思います。 例えば、天橋立は山に登ると遠くに見え、近くに行くと左右の見え方や波の大きさの見え方も違います。また、股のぞき、股の間から天橋立を見ることですが、発想を変えて青い空と青い海を逆に見たりする、そのような違った見方で、環境も含めて、研究の時や社会学長対談 学長対談(平成28年6月1日)

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