環境報告書2014年度
23/60

大阪府立大学環境報告書 21府大の生き物がかり里環境の会OPUとは 里環境の会OPUは、人と自然のより良い関わり方を探ることを目標として活動しているクラブです。その中で部員が大切にしていることとしては、生態系や生物多様性など生物や自然の仕組みの基本を学ぶことだけでなく、実際に野外に出て実体験を伴った理解をしようとすることです。また様々な人との意見交換を通じて多面的に物事を考える力を養っています。さらに部内だけでなく、より多くの人に自然の魅力やその仕組みを伝えることで、部員の学びが微力ながら社会に還元されることも大切だと考えています。最近では市民の方や地域の子ども達と交流する機会を増やしています。 具体的な活動内容としては、勉強会、野外活動、キャンパス・ビオトープ活動が挙げられます。 勉強会では昆虫、魚、微生物の生態学から環境の保全学まで多様な題材を扱っています。部内で意見交換を行うと多種多様な考え方が出て、時には意見が対立することもあります。しかし当たり前のことかもしれませんが、人それぞれ異なった考えを持っているということを認識し、自分の考えを正確に伝えることの難しさや大切さを改めて実感できる場となっています。 野外活動では近畿圏を中心とした自然豊かな場所を訪れ、思い切り自然を満喫しながら、様々な疑問を持って生き物に接したり、自然への理解を深めるきっかけを作ったりします。また里山の開発現場に赴くことで現場の実情を把握し、クラブの環境問題に対するアプローチが現実性のあるものになるよう努めています。 キャンパス・ビオトープ活動とは中百舌鳥キャンパス全体をビオトープとして整備するために取り組んでいる活動です。大学に関わる人と豊かな大学内の自然との共生を目的としています。平成20年から本クラブもその活動に参加しています。月に2度の生物調査・水質調査などを行っており、野外調査の方法を学び、学術的な視点から身近な自然を観察し、そのデータを蓄積させていくことで改善方法の提案につなげることを目標としています。里環境の会OPUが社会に向けてできること 最近では、勉強して得られた知識やデータを人に伝える機会にも恵まれており、大学と協力して4月の府大花(さくら)まつりや10月の御堂筋kappoに積極的に参加しています。そこでは市民向けに府大の自然の紹介やネイチャークイズ、子ども達へ部員が考えた遊びを通しての環境教育を行いました。学園祭では、地域の子ども達を対象とした昆虫が題材のクラフトや遊びに加え、日頃のキャンパス・ビオトープ活動で得られたデータをまとめて地域の方々に見ていただきました。身近な自然について改めて考える場ができたように思います。このような活動の中で地域の方々と接していると、目を輝かせながら昔府大にいた生き物の話をしてくださる方や、自然について多くの疑問を持って質問してくれる子ども達がたくさんいます。 部員が、普段活動する上で原動力としているのは、自然とふれあい、人と交流することを純粋に楽しむ気持ちです。そのような考えから、自然とふれあい、自然に疑問を持ち、もっと知りたいと思うような場所を提供することが、多くの人に人と自然の関わりを考えるきっかけになると考えています。  担当:松浦由布子

元のページ 

page 23

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です