環境報告書2013
4/52

02|はじめに ることの必要性と、府大の「環境学」構築に対する意気込みを感じました。これからは、この府大版「環境学」をどんどん発信していく形になっていくのでしょうか? 奥野:そうでありたいですね。 藤本:それでは、奥野学長はどのようなこれからの環境教育ビジョンをお持ちなのでしょうか? 奥野:学問として考えたとき、現代システム科学域にある「環境」と「マネジメント」と「情報」がこれからの時代の鍵を握っていると思っています。「環境」に関する課題を解決していくために「マネジメント」が必要です。さらに、いろいろな研究分野を融合する際の接着剤となるようなものとして「情報」が必要だと考えています。今やどのような学問分野でも「情報」を無視して進めることはできません。この視点を取り入れることによって、大きな変化が起きています。各分野における研究を融合するために「情報」を使って、大学の質や考え方を大きく変えるような反応が起こらないだろうかということを期待しています。 環境に対する学生の活動 根岸:これまでの奥野先生の話は、大学における学術的なシステムという意味で、いわばハード面から捉えたお話だったと思うのですが、次に大学のソフト面、特に「学生の活動」に注目したいと思います。今府大には、「E~きゃんぱすの会」の他に「環境部エコロ助」や「里環境の会OPU」などの自然環境に関する学生団体や「OPU for 3.11ネットワーク」のような地域環境に関する学生団体があり、色々な視点で「環境」に関心のある学生が多く在籍しています。そのような状況下で、今後の課題として、環境に対してアプローチしている「学生の力」をつなぎ合わせ、さらに大学のハードとしての環境の学問を学べる場と融合することで、大学の質を高めていくことが挙げられると思います。奥野先生はそのような学生の取り組みをどのように捉えていらっしゃいますか? 奥野:今はいろいろな学生の活動がどんどん新しくできていく時期ではないかと思います。いわゆる、Act Locallyが行われていると思います。ただ、横のつながりを持って組織的に大きくなっていないようなフェーズして熟成したときに初めて組織的に力を合わせることを考えれば良いのではないでしょうか。 これからの府大の環境対策の姿とは 藤本:私たちは、環境マネジメント体制の整備・改善がこれからの府大の環境対策を推進していく上で、重要ではないかと考えています。特に、環境対策の方向性を決める上で必要なデータ等を一元的に取りまとめる部署が必要なのではないかと考えています。 奥野:平成24年度の環境報告書作成に当たって、E~きゃんぱすの会のみなさんが、あちらこちらの部署へデータ収集に飛び回っていたことを聞いているので、その気持ちはよくわかります。このようなデータを一元管理する取組のことを、最近IR(institutional research)と呼びますが、府大でもその重要性に気付き、少しずつ改善してきていると思います。今後の環境関連のデータの管理体制についても、整備していく必要性があります。それによって、より効果的な環境対策が進むでしょう。 藤本:三重大学や千葉大学など、環境マネジメントにおいて先進的な取り組みを行っている大学では、やはり初動はトップダウンで整備を進めていたと聞いています。府立大学でも、そのような視点で進め、学生の私たちと考えていくことを願っています。 奥野:「環境」という看板を出している大学として、その名に恥じぬよう、これからも環境マネジメントに関する数々の課題に対して積極的に取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いします。 かもしれません。今後、それぞれの学生の活動が成長 担当:根岸信太郎 (工学部電気情報システム工学科) 藤本千恵 (生命環境科学部緑地環境科学科) 対談風景

元のページ 

page 4

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です