環境報告書2013
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36|第5章 地域社会との連携の推進 3月末から4月初旬、中百舌鳥キャンパスにある池(以下、「府大池」)の周りは、絶好の「お花見スポット」として盛り上がります。そのスポットの魅力を活用した「花まつり」は、地域の方々との繋がりをより一層深める役割を果たしている一大イベントです。 この「花まつり」について、広報課の方にこれまでの経過や状況をお伺いしました。 ○第1回花まつり <開催の背景とその役割> 正式名称は「大阪府立大学ネイチャービュー~府大花まつり~」。府大池周辺の環境整備を機に平成22年4月3~4日、第1回花まつりが開催されました。「大学のみどりと“キャンパス・ビオトープ(p.26~27参照)”」として大阪ミュージアム構想に登録されている中百舌鳥キャンパスの魅力や、綺麗に整備された府大池を地域の方に知ってほしいという想いから始まったイベントであり、中百舌鳥キャンパス全体を舞台とする一大イベントとなりました。それ以降、地域貢献・交流の一環として継続しています。 ○第2回花まつり <震災直後の対応> 平成23年3月11日の東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、「今回は中止にすべきではないか」という意見が出る中、第2回花まつりが開催されました。急遽行った義援金の募金は、チャリティーイベントでの収益の一部と合わせ、日本赤十字社を通じて送りました。また、花まつりの見どころの一つである夜のライトアップも、ソーラーライト等を利用して省エネルギー化を図りました。担当職員の方いわく「大震災の直後だったので、来場者のみなさんの意識も高く、積極的なご協力を頂いた」とのことでした。 ○第3回花まつり <広がる大学の役割> 前年の流れを受けて、第3回花まつりでは以下の2つのコーナーが設置されました。 ① 「福島県支援 食品・放射能理解コーナー」 内容:展示・測定実演・セミナーを通じて、福島県の物産が安心できることを理解してもらうもの。 ②「めざせ!防災マスター ~自分たちの身は自分たちで守る~」 内容:「自分たちで自分たちの身を守る」をキーワードに、家族・友人と共に日常的な留意点を学んでもらう目的で開催されました。防災クイズ・東日本大震災体験者のお話・地震体験車などのメニュー全てを行うと、「防災マスター」に認定するという特典付きでした。 このように花まつりは、遠くの地で起こった災害を自分たちの生活に繋げて考える(食品の安全や自分たちの身を守る防災について知る、考える)機会の一つでもあり、今後も引き続き開催することとしています。 「花さくらまつり」から見る地域防災のかたち 花まつり時の府大池の周りの様子 取材を終えて 地域の方が集まる花まつりで、地域防災で最も必要とされる自分たちの生活圏以外で発生した災害を「他人事」ではなく「自分事」として捉える観点を学ぶことは大変意義のあることだと感じます。 大学が果たすべき社会的使命がより多面的であることを表しているといます。 花まつりの発展に象徴されるように学生・教職員が協力し合えば、中百舌鳥キャンパスにおける地域貢献活動はより一層充実したものになると思います。 担当:竹林夏帆 (人間社会科学部人間科学科)

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