環境報告書2013
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大阪府立大学 環境報告書|23 学内中水MAP 私達の生活する社会は、当たり前のようにごみが捨てられる仕組みになっています。製品の経年劣化は不可避であるため、私達は購入・廃棄を繰り返しています。 平成25年2月下旬、府大近辺にある堺市クリーンセンター東工場へ見学に行きました。同工場は、未利用エネルギーを有効活用すべく、施設内にスーパーごみ発電の機能を組み込み話題となり、エネルギー問題が深刻な昨今にも再評価されていました。しかし、経年劣化と焼却効率の観点から、平成25年4月より改良工事に入り、同時にクリーンセンター臨海工場の操業が始まりました。堺市周辺のごみ処理はクリーンセンター東第一・第二工場と南工場の3工場制をとっていましたが、今現在、改修中の東第二工場に代わりクリーンセンター東第一工場・南工場・臨海工場の3工場制となっています。 そもそも日本でのごみ焼却場の発端は明治時代へと遡ります。当時から公衆衛生を目的として焼却が始まり、高度経済成長の頃には、その量が格段に大きくなりました。ごみを焼却して、その焼却灰等を埋め立てていますが、埋め立ても限界に近づいています。 また、欧米には、飲料容器に預り金をかけ、そのお金が空容器と引き換えに手元へ戻ってくるというデポジット制度を導入している地域もあります。欧米では、生産者に製品廃棄に対し一定の責任を負わせる考えが普及しているのに対し、日本では、家庭からのごみについては自治体が地域の廃棄物としてその処理に責任を負っています。 近年では微生物の分解機能を活用した生ごみの減容システム、高温・高圧の亜臨界水を活用してごみを分解する亜臨界水処理法、無酸素状態でごみを加熱して炭素にする炭化(炭素化)法など、ごみの減量化や有効利用のための技術の実用化が進められています。このような技術が実社会に普及するためには、行政のみならず、住民、事業者が一体となって、廃棄物処理に関する役割と責任の分担、加えて、製品の生産、消費、廃棄の過程について考えながら、それぞれの地域に根付くシステムを再構築していくべきではないでしょうか。(山道あい) 担当:玉井一生 (大学院 生命環境科学研究科) コラム ごみ処理技術の可能性 図6 中水利用施設(中百舌鳥キャンパス)

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