大阪府立大学 環境システム学類
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この地球上には、海、山、川、そして砂漠にも、多様な生物が棲んでいて、生態系という共生のシステムを構築しています。そこには、当然、人間の暮らしも関わっています。近現代の社会では、様々な自然環境の上に、大都市を構築するようになりました。そして、様々な環境問題が生じています。たとえば、海の中ではそれぞれの海域ごとに、自然のシステムが成立しています。そこに人間が過剰に関わると、システムが崩れてしまいます。下の図でいえば、ラッコは魚やウニ、アワビを食べます。毛皮を得るために、また魚介類が獲れるようにするためにと、人間がラッコを捕りすぎてしまうと、海藻を食べるウニやアワビなどの生物が増えすぎます。すると、ジャイアントケルプなどの海藻は減少し、ウニやアワビも棲みにくくなり、ついにはほとんどの生物が海から消えてしまいます。このような自然のシステムと人間の営みのあり方を理解し、自然環境の中で人間が共存するシステムを考えるために、環境共生科学課程では、生態学、海洋学、環境科学、ランドスケープ、地理学、社会学、文化人類学などに関する授業を提供します。具体的には、「異文化の理解」や「文化と共生」、「文化と景観」などの人の暮らしや生活に係わる文化的な環境に関する科目と、「公衆衛生学」や「地球環境の化学」「地域・都市環境学」といった現代の環境問題に係わる基礎的な科目をバランス良く履修します。また、「海洋・陸域環境生態学」「環境政策学」「環境社会学」「環境計画学」を履修して、より学際的な環境に関する知識や方法論を修得します。さらに、「環境アセスメント学」や「環境再生学」などを通して、より専門性を高めていきます。これらの学修により、多種多様な事象が複雑に絡み合う環境問題について、課題を発見し、解決する方法を考える能力を養います。環境システム学類では、1年次において学域・学類共通科目である各課程の入門科目を履修し、領域横断的な視点を形成します。2年次以降は各課程に所属し、それぞれの課程で専門性を深めつつも、他の課程の研究を幅広く学修できます。以下では、各課程について紹介します。環境共生科学課程環境システム学類の3つの課程自然環境・現代社会・人間の心

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