生命環境科学域 理学類/大学院理学研究科 2019
21/32

進路・先輩メッセージhttp://www.c.s.osakafu-u.ac.jp/careerlist 私は有機反応化学の柳・福山研究室に所属していました。研究テーマは、遷移金属錯体触媒を活用し、安価で入手可能な化学原料から機能性を有する有機化合物を原子効率の良い手法で合成する新しい反応を開拓することでした。分子科学課程には、研究を行う上で学生と真摯に向き合ってくださる先生方が数多くおいでになり、日々自分自身の成長を感じつつ最先端の化学研究にとりくむことができたと実感しています。幸にも私は、在学中にいくつかの新規反応を見出し、国際学会等で発表する機会を頂きました。これも熱心にご指導いただいた先生方のおかげであると感謝しています。 本文を読まれている受験生の中には、大学の学部やその先の進路について悩まれている人もいると思います。私も悩んでいました。化学に興味がある一方で、将来は薬学関係の職に携わりたいと考えていました。高校生のときには、化学系と薬学系で学ぶ内容がどれほど密接に関わり合っているのかということが理解できておらず、それらが全く異なるものであると思っていたのです。ですが、実際には分子科学課程で化学を学ぶことで、製薬会社に職を得ることができました。分子科学課程で学ぶ化学は、化学を活用して人間社会に貢献する工学、農学、薬学など、あらゆる応用分野にとって必要不可欠な基盤となっています。「学びたい」という強い気持ちを持ち続けることが大事だと思います。みなさんも分子科学課程で化学を学び、ガンガン最先端の化学研究をしてみませんか?ヤーイー チェンさん大学院分子科学専攻博士前期課程 2017年3月修了株式会社小林製薬勤務杉森大樹さん 私は、2013年4月に理学系研究科分子科学専攻博士後期課程に入学し、2016年3月に博士号を取得しました。現在は、化学会社の研究員として勤務し、ポリマーの開発を行っています。大阪府立大学へは、修士課程2年生のときに交換留学生として所属した研究室で行った有機化学の研究に大変興味を持ったため、博士後期課程から入学することを決意しました。所属する研究室では、主に面不斉遷移金属錯体を配位子とする触媒的不斉合成の研究を行いました。3年間という短い期間ではありましたが、これまでで最も高い性能を示す触媒系を開発することができ、国際的に高く評価されている学術誌に発表しました。さらに、私の行ったこれらの成果に対して、ハワイで行われた国際学会にてポスター賞をいただいたり、新聞でも取り上げていただいたりするなど、多くの方に興味をもっていただいたことを今でも大変嬉しく思っています。もちろん、このような成果にたどり着くまでに、指導教授と多くの議論を積み重ねて、多くの実験を繰り返し、繰り返し行いました。しかし、こうして得た数々の経験は、現在の会社における研究においても大いに役立っていることを実感しています。 この分子科学課程では、学生に対して数多く、かつ質の高い研究教育の機会が提供されていると思います。化学に興味ある皆さん、この分子科学課程で自分のやりたい研究を見つけて、実り多い学生生活を送ってみませんか!大学院分子科学専攻博士後期課程2016年3月修了DIC株式会社勤務20 卒業生の大部分は大学院・博士前期課程(2年間)に進学します。そして、科学と技術とが急速に進展を続ける現代において、社会に出て様々な分野に進んでいく基盤となるしっかりした基礎力にさらに磨きをかけます。 博士前期課程修了者の大部分は、化学系を中心に、エネルギー、製薬、化粧品、電器、機械など様々な業種のメーカーに就職し、主として研究・開発の担い手として活躍しています。また修了者の一部は博士後期課程(3年間)に進学して、ひき続き最先端の分子科学研究にとりくみ、博士号取得後は化学系企業や各種研究機関で研究活動の中核的な存在となっています。大学院博士後期課程進学、石原産業、三井化学、宇部興産、クラレ、住友ゴム工業、ダイセル、アース製薬、GSユアサ、三洋化成工業、日本合成化学工業、トンボ鉛筆、雪印メグミルク、住化分析センター、日本特殊陶業、高圧ガス工業、大阪印刷インキ製造、コーデンシ、エア・ウォーター、MORESCO、NSC、ACN、安治川鉄工、高校理科教諭(大学院分子科学専攻)

元のページ 

page 21

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です