家庭犬の日常生活と気持ちの変化を検出―犬の心拍変動解析からリラックス状況を評価―
更新日:2018年2月16日
犬の気持ちの解明に一歩前進?!
家庭犬の日常生活と気持ちの変化を検出―犬の心拍変動解析からリラックス状況を評価―
大阪府立大学 生命環境科学域附属 獣医臨床センターの島村 俊介 准教授の研究グループは、昨年、シャープ株式会社と共同開発したウェアラブルセンサーを用いて、犬を対象に心拍変動解析手法の開発を提案しておりましたが、今回、一般家庭において、犬の生活スタイルと、犬のリラックス度合いを示す指標との関連性を実証しました。
本取り組みのポイント
- 昨年提案した犬用の心拍変動解析に基づくリラックス指標によって、一般家庭に暮らす犬のリラックス状態を3日間に渡り観察することに成功
- 家庭での犬の生活スタイル(散歩・食事・来客など)とリラックス指標の動きの関連性を実証
- 本研究に用いた心電測定用のウェアラブルセンサーは、シャープ株式会社研究開発事業本部と共同で開発したもので、数年以内の販売を目標に、引き続き本解析手法を実装したセンサーおよびシステムの開発に取り組む
昨年、私たちは犬の心拍を測定できるウェアラブルセンサーを開発し、得られた心拍データから自律神経活動を評価するためのシステムを提案しました(第13回 日本獣医内科学アカデミー学術大会)。自律神経活動は犬の心的状態やストレスをよく反映することが知られていますが、これらを一般の家庭環境で暮らす犬を対象に調べた研究はありません。
今回、家庭での長時間にわたる観察を可能にするため、ウェアラブルセンサーに改良を重ねた結果、3日間の日常生活の様々な出来事に犬がどのように反応して、どのような心の動きをしているのかを垣間見ることができました。
本研究成果は、2月17日の第14回日本獣医内科学アカデミーと3月20日の第18回電子情報通信学会総合大会において発表する予定です。
プレスリリース全文(304KB)
関連情報
世界初!犬のストレス状態をリアルタイムに評価する解析手法を開発(2017年2月20日プレスリリース)
お問い合わせ
公立大学法人 大阪府立大学 生命環境科学域附属 獣医臨床センター
准教授 島村 俊介
Tel 072-463-5832 Eメール shimamur[at]vet.osakafu-u.ac.jp[at]の部分を@と変えてください。