大阪府立大学

DNAの二重鎖形成を「光」で加速する新原理を世界に先駆けて解明

更新日:2016年12月6日

―より速く、精度の高い遺伝子検査の実現に期待―
DNAの二重鎖形成を「光」で加速する新原理を世界に先駆けて解明

大阪府立大学キープロジェクトの研究チーム (飯田 琢也准教授、床波 志保准教授、西村 勇姿 大学院生ら)は レーザー照射によって、わずかゼプトモル(約600個)のDNAとナノ粒子の表面に修飾したDNAが二重鎖を形成するプロセスを加速し、光学顕微鏡で観測可能なサイズ(約0.1ミリメートル)のマクロな集合体を数分程度で形成できることを世界に先駆けて解明しました。

研究成果のポイント

  • DNAの二重鎖形成をレーザー光照射により加速できる新原理を解明
  • たった2分程度の光照射で、わずか5ゼプトモルのDNAから光学顕微鏡で観測可能な約0.1ミリメートルの集合体形成に成功
  • 塩基配列の違いによって集合体形成の速度と光吸収特性が敏感に変化することを解明

レーザー光照射による集合現象を利用し、ナノ粒子表面に修飾した一本鎖DNAと浮遊状態の一本鎖DNAの衝突確率を高めることで、二重鎖形成のプロセスを加速できることを解明しました。

従来、フェムトモル(約6億本)程度のDNAを検出するのに数時間を要していましたが、本研究で得られた原理を利用すれば、わずか数分で100万分の1に当たるゼプトモルオーダーの微量のDNAの二重鎖形成から0.1ミリメートルに迫るマクロな集合体を形成して検出できるため、遺伝子検査の飛躍的な迅速化、および高感度化が期待できます。将来的には、予防医療(遺伝子疾患や悪性新生物・成人病などの遺伝子検査時間の短縮)や食品の遺伝子検査の簡素化など、21世紀の重要課題の革新に貢献する成果といえます。

なお、本研究成果は英国Nature Researchの論文誌である「Scientific Reports」にオンライン公開されました。

論文タイトル:Submillimetre Network Formation by Light-induced Hybridization of Zeptomole-level DNA (ゼプトモル・レベルのDNAの光誘起ハイブリダイゼーションによるサブミリメートル・ネットワーク形成)

世界初!DNAの二重鎖形成が「光」で加速する新原理を解明

(参考図)気液界面でのDNA二重鎖形成の光誘導加速の実験結果

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理学系研究科 物理科学専攻 准教授 飯田琢也
工学研究科 応用化学分野 准教授 床波志保

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