トラザメもCT検査が可能に!マイクロCTに用いる造影剤の最適な撮影条件を特定
更新日:2022年2月15日
本学 大学院 生命環境科学研究科 獣医学専攻の古家 優 准教授らの研究グループと海遊館は、マイクロCT(解説1)によるトラザメの画像診断に関して、造影剤を用いた至適撮影条件を見出すことに成功しました。
この成果は、トラザメなどの板鰓類(解説2)に対して、画像診断を用いた臨床および研究に役立つことが期待されます。
なお、本研究成果は、学術誌「Journal of Aquatic Animal Health」に2021年12月付けで掲載されました。
論文タイトル「The Establishment of an Optimal Protocol for Contrast-Enhanced Micro-Computed Tomography in the Cloudy Catshark Scyliorhinus torazame」
本研究のポイント
- 腹部臓器のマイクロCT撮影に用いる適切な造影剤の投与量および投与後の撮影時間について明らかにすることができた。
- 腹部の各臓器において、造影剤投与後の至適撮影時間は異なることが明らかとなった。
- 造影剤を用いたマイクロCT撮影によって描出された臓器は三次元的に評価できることから、臨床および研究への応用が期待される。
SDGs達成への貢献
大阪府立大学は研究・教育活動を通じてSDGs17(持続可能な開発目標)の達成に貢献をしています。
本研究はSDGs17のうち、「14:海の豊かさを守ろう」に貢献しています。
研究助成資金等
本研究プロジェクトは、「ふるさと納税制度」を活用した大阪府立大学への寄附制度である「つばさ基金(海洋生物に関する研究)から支援を頂きました。支援いただいた皆さまの期待に応えるべく、今後もプロジェクトを進めていく所存です。更なる研究の発展のため、引き続きご寄附を募集させていただいております。皆さまのより一層のご支援・ご協力をお願いいたします。
用語解説
解説1 マイクロCT
マイクロCTは、近年小型動物の臨床検査機器として開発され、実用スライス厚が30~150 μmであり、空間分解能に優れている。短時間の撮影で高精細な画像を得ることができ、臨床分野や研究分野への応用が期待されている。
解説2 板鰓類
サメ類・エイ類の大部分が含まれる軟骨魚綱板鰓亜綱の魚の総称。トラザメについては、近年、発生学やゲノム解析などの研究が進んでいる。
関連情報
お問い合わせ
大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科 獣医系
准教授 古家 優(ふるや まさる)
Eメール furuya[at]vet.osakafu-u.ac.jp [at]の部分を@と差し替えてください。