大阪府立大学

総合リハビリテーション学類 理学療法学専攻がリアルタイムマスキング処理を活用したオンライン臨床実習を実施

更新日:2022年2月10日

本学 地域保健学域 総合リハビリテーション学類 理学療法学専攻では、COVID-19感染症拡大に伴い、臨床実習教育の受け入れが困難になるケースが発生したため、本学の特徴的な取り組みである「在宅での理学療法を臨床現場で学ぶ地域理学療法臨床実習」に新たな対策が求められました。

そこで、リアルタイムモザイクを活用した新しいオンライン臨床実習に取り組みました。理学療法学専攻4年生のうち、臨床グループ(15名)は訪問型理学療法へ同行し、オンライングループ(8名)は双方向性オンライン学習(マスキング動画を用いた臨床症例検討含む)を5日間実施しました。

臨床グループの学生は、訪問型理学療法中の対象者さんの自宅内での基本動作や自宅玄関や屋外や職場内などでの歩行の様子を動作観察しました。一方、オンライングループでは、対象者さんのお顔にマスキング処理をして個人情報を匿名化した動画を、自宅からZoomの画面上で動作観察しました。同時に実習指導者の担当理学療法士が学生に解説を行い実習指導者と学生で質疑応答を活発に行うことで、臨場感のある学びの機会になりました。

(注意)個人情報保護の観点から、対象者へ事前にマスキング動画を提示の上で説明し、同意を得ました。

実習のポイント

  • 学生の学びを中断せず、優れた医療従事者を輩出するために、十分な感染対策を行い必要に応じて実習時期も変更して臨床実習を継続しています。
  • 地域におけるリハビリテーションをオンラインで学習する臨床実習形式は、日本で初の取り組みです。

教員のコメント

総合リハビリテーション学研究科 助教 杉山 恭二

杉山助教の写真COVID-19感染症拡大下に臨床実習をどのように安全に効果的に進めるかは、全国の教育現場で昨年と今年の大きな課題でした。その課題に対して、臨床現場の多大なるご協力によって新しいオンライン実習の形態を考案でき、一定の成果をあげることができました。

移動通信システムは第5世代(5G)に突入し、新たな未来社会としてSociety5.0が提唱されています。教育のデジタル化も進んできている中で、最新技術を取り入れることによってより教育効果が高まる教育方法について今後も検討を進め、より優れた理学療法士を社会に輩出できるように努めて参ります。

総合リハビリテーション学研究科 教授 樋口 由美

樋口教授の写真対象者のご自宅への訪問型実習は、感染対策が院内以上に難しいと言われています。COVID-19感染症拡大の中で、訪問型のリハビリテーション実習を例年と変わらず実施させていただいた施設、事業所には数々のご配慮を頂戴しました。一方、実習が困難であった施設では、感染対策が十分でも学生の同行に対象者・ご家族の承諾が得られにくい状況があるようでした。そうした中で、撮影した動画のお顔にマスキング処理がすぐできるツールは、動画撮影にご理解をいただく手順や撮影実施に新たな課題があるものの、これからの医療、保健分野の学生教育に欠かせないものです。

SDGs達成への貢献

SDGs3番と4番

大阪府立大学は研究・教育活動を通じてSDGs17(持続可能な開発目標)の達成に貢献をしています。

本実習はSDGs17のうち、「3:すべての人に健康と福祉を」「4:質の高い教育をみんなに」等に貢献しています。

関連情報

お問い合わせ

大阪府立大学大学院 総合リハビリテーション学研究科

助教 杉山 恭二(すぎやま きょうじ)

Tel 072-950-2111Eメール sugiyama[at]rehab.osakafu-u.ac.jp [at]の部分を@と差し替えてください。