ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩の脂肪蓄積抑制作用とその仕組みを初めて解明
更新日:2021年12月7日
本学 生命環境科学研究科 赤川 貢 准教授と三菱ガス化学株式会社(社長:藤井 政志)は、共同研究により、ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩「BioPQQ(注釈)」が、高脂肪食を摂取したマウス、餌を過剰に与えたミジンコで脂肪の蓄積を抑制することを明らかにしました。また、肥満モデル実験に使用される標準的な培養細胞である3T3-L1脂肪細胞を使用した実験により、ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩が脂肪の取り込みを抑制し、かつ脂肪代謝を上げる働きによって脂肪の蓄積を抑制していることが判明しました。
PQQによって、体内のエネルギー代謝に関わるミトコンドリアを新生させる遺伝子と、脂肪細胞を燃焼しやすい形態に変える働きのある遺伝子が活性化することで、脂肪蓄積抑制につながると考えられます。
近年の欧米化した食事や高脂肪食を摂取しがちな食生活において、肥満は、心血管疾患、2型糖尿病、炎症、ガンなどのさまざまな疾患に関連しています。本研究成果は、肥満の抑制につながり、人々の健康への貢献が期待されます。
なお、本研究成果は、米国化学会が刊行する「ACS Food Science & Technology」に掲載されました。
論文タイトル「Pyrroloquinoline Quinone Attenuates Fat Accumulation in Obese Mice Fed with a High-Fat Diet, Daphnia magna Supplied with a High Amount of Food, and 3T3-L1 Adipocytes
(注釈)BioPQQは三菱ガス化学株式会社の登録商標です。
SDGs達成への貢献
大阪府立大学は研究・教育活動を通じてSDGs17(持続可能な開発目標)の達成に貢献をしています。
本研究はSDGs17のうち、「3:全ての人に健康と福祉を」に貢献しています。
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大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科
准教授 赤川 貢
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