大阪府立大学

2021年度 JST新規プロジェクト・新規課題の採択状況について

更新日:2021年11月29日

科学技術振興機構(JST)より、2021年度 新規プロジェクト・新規課題の採択状況が公表されました。

その中から特筆すべき大型採択案件をご紹介します。

「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築)」

山野 則子(人間社会システム科学研究科 教授)

子どもの社会的孤立・孤独や社会的排除の問題として、

  1. 子どもが声をあげられず周囲が気づかない。
  2. 学校組織が教師の抱え込みを生む。
  3. 身近な支援が認識されず必要な子どもに届かない。

といった問題がある。また、新型コロナウイルス感染症の流行により、保護者の就業状況の悪化、家族関係の悪化などを含め、ストレスを抱え、社会的孤立となる子どもの増加が見込まれる中、子どもの潜在化したリスクを早期に把握し、適切な支援につなぐシステム活用は喫緊の課題である。

本プロジェクトのビジョンは、子どもに安心を提供できる、持続可能な社会システムの実現である。

そのための達成目標は

第1に、例えば子どもが貧困を恥ずかしいことと思わなくていい環境創生。
第2に、教師が個人で対処に追われない体制の構築。
第3に、学校として地域資源を知り活用できるようになること。

である。

実施内容は次の3点である。

  1. 学校においてAIスクリーニングの実用化をめざし、スクリーニングシステムによって自動的に上記のことができるようになる。
  2. 教育行政・教師・スクールソーシャルワーカー・スーパーバイザー・地域資源メンバーによるネットワークを構築し関与者の評価キャパシティを形成することで持続可能性を高める。
  3. バックアップするために体制構築(養成講座案の作成とモデル実施、個人情報保護ボトルネック対応マニュアルの完成)を行う。
プロジェクト名 SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築)
研究開発への参画・協力機関 大阪府立大学、東北福祉大学、群馬医療福祉大学、日本福祉教育専門学校、日本大学、大阪市立大学、一般社団法人生命保険協会大阪府協会、日本ソーシャルワーク教育学校連盟、堺市社会福祉協議会、全国こども食堂支援センター・むすびえ、大阪府、大阪府能勢町、神戸市、沖縄県など
採択率 9.0%(応募78件中、採択7件)

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研究成果展開事業 大学発新産業創出プログラム(START)「プロジェクト支援型」

高橋 和(工学研究科 准教授)

小型・省エネルギーのシリコンラマンレーザーによる、光を用いた安全性が高い静電気検知技術を実用化する。静電気による事故・機器故障が重要な課題である宇宙分野を手始めに静電気検知装置を製造・販売するベンチャーの設立をめざす。

プロジェクト名 宇宙産業で安全に使用できる静電気検知技術の開発
事業プロモーターユニット代表実施機関 ANRI株式会社
採択率 9.8%(応募51件中、採択5件)

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研究成果展開事業 大学発新産業創出プログラム〈プロジェクト推進型 SBIRフェーズ1支援〉

二瓶 泰範(工学研究科 准教授)

養殖場では自動給餌機の導入が進んでいる。自動給餌機は人が餌やりをする必要はない。しかし、給餌機への餌補給は漁業者が行い、重労働である。本研究は革新的なロボット漁船を実現し、給餌の完全自動化をめざし、漁業従事者の労働軽減を実現する。そして、ロボット漁船事業を手掛けようとする企業への技術移転をめざす。

プロジェクト名 養殖場における自動給餌機の為の自動補給船―ロボット漁船―の研究開発
めざす社会実装方法 大学等発ベンチャーを含む中小企業への技術移転
採択率 35.6%(応募59件中、採択21件)

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