大阪府立大学

わずか10秒間のイオン交換弱酸性次亜塩素酸処理により新型コロナウイルスを10万分の1以下に!

更新日:2021年9月15日

大阪府立大学(学長 辰巳砂 昌弘)大学院 生命環境科学研究科 獣医学専攻 教授/アジア健康科学研究所 所長/大阪国際感染症センター 所長 山崎 伸二(やまさき しんじ)と株式会社ローカルパワー(代表取締役 寺田 耕也)の佐藤 友子(さとう ともこ)らの研究グループは、ローカルパワー社の製品であるイオン交換(特許製法)弱酸性次亜塩素酸(iPOSH)の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する抗ウイルス活性について調べました。

その結果、低濃度(約60 ppm)の弱酸性次亜塩素酸で10秒間処理することにより、SARS-CoV-2を10万分の1に低減できること、有機物(唾液と同じ濃度のタンパク質)存在下でも同様の低減効果を発揮できること、ガラス上の乾燥した感染性のSARS-CoV-2(飛沫した唾液が乾燥した状態を想定)を125 ppmで10分間、あるいは250 ppmで5分間処理することにより、10万分の1以下に低減できることが明らかとなりました。イオン交換生成し高濃度を維持できる弱酸性次亜塩素酸は、テーブルなどの表面に付着・乾燥したSARS-CoV-2の不活化にも有効でCOVID-19の制御に役立つことが期待されます。

本研究成果は、学術雑誌「Journal of Applied Microbiology」に2021年9月14日付けでオンライン掲載されました。なお、本プロジェクトは、株式会社メディセオ 理事 竹村 秀明氏(薬剤師)をコーディネーターとして進めています。

論文タイトル「Hypochlorous acid solution is a potent antiviral agent against SARS-CoV-2」

論文掲載誌「Journal of Applied Microbiology」(Society for Applied Microbiology Webページ)

本研究のポイント

  • 60 ppmのイオン交換弱酸性次亜塩素酸で10秒間処理することにより、SARS-CoV-2を10万分の1以下に低減。
  • 有機物存在下でも60 ppmで10秒間処理することにより、SARS-CoV-2を10万分の1以下に低減。
  • 125 ppmで10分間、あるいは250 ppmで5分間処理することにより、乾燥した感染性のSARS-CoV-2を10万分の1以下に低減。

SDGs達成への貢献

SDGs3のアイコン

大阪府立大学は研究・教育活動を通じてSDGs17(持続可能な開発目標)の達成に貢献しています。

本研究はSDGs17のうち、「3:全ての人に健康と福祉を」に貢献しています。

関連情報

お問い合わせ

大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科

教授 山崎 伸二

Eメール shinji[at]vet.osakafu-u.ac.jp[at]の部分を@と変えてください。