大阪府立大学

2021年度 学位記授与式学長式辞

更新日:2022年3月31日

皆さん、卒業、修了おめでとうございます。心からお慶び申し上げます。

本日ここに、2021年度、対面とオンラインを併用した形での春季の学位記授与式式典を開催できますことを嬉しく思います。

この日を迎えるに当たって、皆さんそれぞれの思いで学位取得の準備をしてこられたと思います。丸2年に及ぶコロナ禍の不安の中で、これまでと違う日常生活の中で、この日のために努力を重ねてこられた皆さんに、心から敬意を表します。

本日、学域を卒業して学士の学位を得られた方は1404名、大学院博士前期課程を修了して修士の学位を得られた方は650名、博士後期課程を修了して博士の学位を得られた方は54名、合計2108名となります。

それぞれの学位を取得され、今後それぞれの道を歩まれることと思いますが、大阪府立大学で学んだ多くのことを糧に、実りある人生を送っていただきたいと願っています。皆さんは、自ら学んでいくための基本を本学で身につけられたと思いますので、常に新しいことを吸収し、新しい発見に感動できる人であり続けていただきたいと思います。向上心を持ち続け、これからも自身を磨き続けていただきたいと願っています。

皆さんご承知のように、この4月1日から、大阪府立大学は大阪市立大学と統合して、新大学、大阪公立大学がスタートします。新大学では12学部・学域による「総合知」と、共に創る「共創」を掲げ、人生100年時代に相応しい、世代を問わず開かれた大学をめざします。

産官学民が集まり、人々のwell-being向上に向けた知の拠点をめざしますので、是非皆さんも10年先、20年先、あるいは40年先に再びここで学んでいただく、あるいは皆さんの経験を他の方の学びとしてご提供いただく、いずれにしても自身を磨く場として再び活用いただければと思っています。

コロナ禍でキャンパスでのリアルな活動が十分出来なかった方、特に海外等とのリアルな交流が出来なかった方々沢山おられることと思います。このパンデミックが収束したら、いつでも大学に戻り、ゼミや研究室での「忘れ物」を取り戻しましょう。皆さんが「ただいま」という場所に「おかえり」と応える教職員、後輩が待っています。大阪府立大学で築いた絆を胸に、次の人生に大きく踏み出していきましょう。
これから新しい世界に羽ばたいてゆく皆さんに、この機会に二つお願いをさせていただきます。一つはポストコロナに向けた対応、もう一つは人との出会いを大切にすることです。

ポストコロナに向けた対応

まず一つ目、ポストコロナに向けた対応ですが、これから社会で活躍しようという皆さんにとって、このコロナ禍がもたらす社会の変化にどう対応するかは大変重要なテーマになると思います。ご承知のように、これまで一部でしか行われていなかった遠隔オンライン会議やテレワークが、広く一般的なものになりました。これはこのパンデミックが終結したのちも、元に戻ることはないでしょう。働き方はすでに大きく変わっています。

私は休日を利用して趣味のバンド活動をしているのですが、1年半ほど前から、5人のメンバーが完全に遠隔でリアルタイムの演奏練習を行うことができるようになりました。これは、リモート合奏でのオンラインによる遅延時間を補正する音楽アプリの出現によるのですが、このようなシステムは、コロナ禍以前にはまだ開発されていませんでした。ニーズがあるからシステム開発が加速される、こうした例は枚挙にいとまがありません。しかしオンラインが便利に使えるようになるとリアルの会議はなくなるか、リアルのバンド練習はなくなるかというと、そんなことは絶対にありません。オンラインが一般的になるほど、リアルの価値が実感でき、その価値が高まっていくという側面があります。「デジタル活用によるリアル価値の向上」といった動きも加速されるでしょう。

皆さんには、ポストコロナ時代の新しい価値観を予測し、この変化する時代に翻弄されることなく、今を生き抜いていただきたいと思います。これから人々の価値観はますます多様になると思われます。本学で学ばれた皆さんには、まずはその多様な価値観を認め合える人になっていただきたいと願っています。

出会いを大切にすること

次に、二つ目の出会いを大切にすることについて。これはこの学位記授与式で毎年申し上げていることです。どんなに優れた人でも、一人では生きていくことはできません。色々な人の助けを借りて人は生きていくことができる。パンデミックの影響で、今年度は夏と冬のオリンピック、パラリンピックが一挙に開催されました。記憶に新しいこととして、パラリンピックにおけるパラアスリートの活躍の背景に、彼らを支える多くのサポーターの存在があること、そしてその多くの出会いと絆を、私たちは感動を持って知ることができました。

一期一会。これまで皆さんは、多くの人と出会い、今日まで成長してこられました。これまでの出会いはその一つ一つが奇跡とも言えます。大林宣彦は「限られた時間の中で出会える人の数は、出会えない人の数よりずっと少ない。だから、出会った人をどれだけ大事にするかですね」と言っています。これまでの出会いに感謝し大切にすることで、きっとこれからも新しい縁を繋ぐことができます。私は40年の教員生活の中で、研究においても日常生活においても「縁」というものの大切さを実感し続けてきました。大学や大学院時代の出会いは人生の中でも生涯の付き合いとなるケースが多いと言われています。ここで出会った多くの教員、職員、先輩、後輩、友人との縁を今後も大切にし、人生をより豊かなものにしていただきたいと願っています。

最後になりますが、皆さんが本日学位記を手にされたのは、お一人お一人の努力の賜であることは言うまでもありませんが、皆さんを支えて下さった周囲の方々のご支援があってのことと思います。今日の良き日にあたり、そのような方々に、是非感謝の気持ちをはっきり言葉で伝えていただきたいと思っています。

皆さんのご活躍を祈念しつつ、今日から始まる、新しい人生に幸多かれと心から願って、私からのお祝いの言葉とさせていただききます。

令和4年3月24日
大阪府立大学学長 辰巳砂 昌弘