大阪府立大学

平成30年度 辞令(採用・昇任・再任)交付式における訓辞

更新日:2018年4月3日

辻洋 理事長・学長

ただいま、新規採用の教員・職員並びに昇任されました教員の代表の方に辞令を交付し、新たに本学の一員として37名の教員(うち女性15名)、そして9名の職員(うち女性5名)をお迎えすることになりました。

ようこそ、公立大学法人大阪府立大学へ。法人・大学を代表して、歓迎いたします。

自分のことを振り返ると40年前に新入社員として働き始めております。今になって思えばいろいろなことがあり長かったような気もしますし、あっという間のことだったようにも思います。今でも社長訓示において「和・誠・開拓者精神を高揚させ、社会に貢献する」という社の基本理念と聞いたことを覚えています。本学は「高度研究型大学―世界に翔く(はばたく)地域の信頼拠点」を基本理念とし、多様・融合・国際という三つの視点を大切にしています。この理念は、大阪府立大学工業高等専門学校を法人傘下として運営する前に作ったものであり、また一年後の公立大学法人大阪市立大学との統合を目前に控え、いずれ議論して見直すことになろうかと思われます。しかし、新大学ができるまでのこれから数年は何度も目や耳にすると思いますので、入職した職場の理念・大切な視点として覚えておいていただきたいと願っています。

さて、皆さまそれぞれの立場が異なりますので、共通したお話をすることはなかなか難しいのですが、この機会に是非お話ししたいことがあります。今朝、新たに理事2名、管理職教員に辞令交付を行いました。管理職の先生方には、五つのお願いをしました。教育の内部質向上(個々の授業の質だけでなく、プログラムとしての課程の質)、一年間でやりとげなければならない大阪市立大学との法人統合、教職員全員参加を期待するキャンパスの国際化、一つの法人に大学と高等専門学校があることを強みとするための連携強化、そして服務管理のことです。これらについては、今後、いろいろな会議や学内ポータルで報告したりお願いしたりしますので、よろしくお願いします。

辞令交付式での教職員

さて年初には、「全員広報宣言」といって、広報課だけでなく教員、職員全員が大阪府立大学の歴史も現在も今後の計画も知り、組織としての活動、教職員だけでなく卒業生・在学生含めの活動を共有し、本学のプレゼンスを向上することを行うように強くお願いしました。私も大阪府立大学のアンテナの一つでありたいという想いで、名札に「全員広報宣言」と書いたシールをつけたりFacebookで私たちの優れた点や卓越さを毎日情報発信したりしています。そして、懸案であった入学志願者が下げ止まったこと、理学療法士・作業療法士・管理栄養士・看護師・助産師の国家試験合格率が100パーセントであったことは一定の成果を出していますが、これを維持することが大切だと考えています。皆さんも本日から大阪府立大学のアンテナとして、在学生や受験生の声や社会の声を集め本学の魅力を伝えるようよろしくお願いします。

最後に、法人統合について触れたいと思います。公立大学法人大阪市立大学と公立大学法人大阪府立大学は、ともに教育機関として130年を超える歴史を有しており、各界において活躍している多くの方を輩出しています。ご存知のように、医学部、法学部など伝統的な学部・学科構成を基本とする大阪市立大学と現代システム科学域を代表とするように領域を超えて多様な学生が一緒に学ぶ場を提供する学域・学類構成を基本とする本学ではそれぞれ校風がかなり異なっています。また、それぞれの法人は大阪市、大阪府の事務のやり方に沿ってこれまで法人運営されてきたこともあり、各種規定や事務プロセスも大きく異なっています。これを調整して、魅力ある新大学を創っていくわけですから、大変な作業になりますが、将来に向けてやりがいのある仕事だともいえると思います。少子高齢化の社会を前にして、そして国際競争が激化する中で、両大学だけでなく、我が国においては、法人統合・大学統合は間違いなくその方向に進みます。また、国立・私立などでもこういう法人統合の動きは出始めています。せっかく進むのなら、一番早く体力のあるうちにやり遂げましょう。ご苦労をおかけしますが、どうぞよろしくお願いします。

皆さまの本日からのご活躍を期待して挨拶とさせていただきます。

2018年4月2日
理事長・学長 辻󠄀 洋

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