強磁場環境利用研究センター
設置目的
近年、超伝導マグネットの開発や冷凍機技術の進歩により20テスラ(20万ガウス)までの強磁場が普及しつつある。そのような強磁場下では、水の反磁性が分子レベルで重力と釣り合った無重力状態など極めて興味深い現象が実現する。一方、20テスラを超える強磁場は超伝導マグネットでは発生できず、一瞬のパルス強磁場によって発生しているのが現状であり、そのような強磁場発生が可能な大学研究施設はごく限られている。その中にあって本学では50テスラのパルス強磁場発生が可能である。50テスラ以上の強磁場が発生可能な施設は国内では本学を含めて5か所しかない。従来、もっぱら基礎物性研究に限られていた強磁場環境のニーズはその普及とともに物質合成、機能物質開発、化学反応からバイオマグネティクスなど様々な分野で広がりを見せている。
平成28年度に温度範囲1.8Kから400K、最高磁場7テスラの条件下で磁気特性を測定するシステム(MPMS3)が導入され、本学初の共通機器として整備、運用を進めてきており、強磁場環境利用のプラットフォームが整った。本研究センターは学術面からMPMS3の積極的利用を促進することを目的として設置する。また、本研究センターはパルスマグネットの共同利用を推進し、これにより温度範囲を1.8Kから0.1Kまで拡張し、7テスラ磁場を50テスラパルス磁場まで増強するための開発研究を推進することを目的とする。0.1 Kの極低温、50テスラの超強磁場の2重極限環境の実現は本研究センターの際立った特色となる。 さらに、本研究センターは大阪大学、神戸大学、福井大学が連携する西日本強磁場ネットワークに新規参入し、強磁場利用を強力に推進する拠点を形成することを目的とする。
研究内容の概要
研究センターでは上記目的に対応した3研究部門を設置する。強磁場物性計測利用研究部門ではMPMS3および関連する強磁場発生装置を利用した成果発表を行い、今後の研究課題について展開を議論し、新しい強磁場環境利用研究分野の創出を目指す。パルス強磁場環境開発部門ではMPMS3等ではカバーできない、50テスラに及ぶパルス強磁場発生と強磁場下物性測定に関する開発研究を行う。連携研究部門では西日本強磁場ネットワークに加入している他大学と学術協定を結び、これに新規参入し、定期的に情報交換を行う。
構成員
センター長
野口 悟(理学系研究科 教授)
研究員
区分 | 教授 | 准教授 | 助教 |
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工学研究科 | 戸川 欣彦 藤村 紀文 山田 幾也 |
宍戸 寛明 | 髙阪 勇輔 |
理学系研究科 | 久保田 佳基 藤原 秀紀 細越 裕子 |
石橋 広記 小野 俊雄 山口 博則 |
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高等教育推進機構 | 松井 利之 | – | – |
研究推進機構 | 川又 修一 | – | – |
設立年月日
2018(平成30)年5月1日
SDGs達成への貢献
大阪府立大学は研究・教育活動を通じてSDGs17(持続可能な開発目標)の達成に貢献をしています。
本研究センターはSDGs17のうち、「7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、「9:産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献しています。
お問い合わせ
理学系研究科 教授 野口 悟
Tel 072-254-8395(直通) Tel 4074(内線)Eメール noguchi[at]p.s.osakafu-u.ac.jp [at]の部分は@に差し替えてください