未来の博士育成ラボラトリー
設置目的
近年、さまざまな理科支援事業が理科離れの対策として実施されているが、理科に興味を持つ児童の数が中学生になると激減し、中学校における理科のクラブも成立しなくなってきている状況にある。これは、小学生のときに芽生えた科学や理科への興味・関心が中学校での知識重視型学習内容とのズレや教師とのコミュニケーション不足、良き指導者と出会う機会の減少により、科学の持つ本当の楽しさに接する機会がなく、科学に対するモチベーションが維持できないことが大きな原因と考えられる。
優秀な生徒に中学時点においても科学に対する強いモチベーションを与えることは、彼らが本物の科学者をめざす意識を高める大きな分岐点であると考えられる。このため、中学生の段階で本物の科学に接する機会を提供し、彼らの才能を育成するシステムを整えることは大変重要である。
未来の博士育成ラボラトリーでは、理数系に優れた中学生に対して、科学者として重要な以下の能力・資質を伸長させるプログラムを開発し、そのプログラムを導入・実践する科学教育事業「「未来の博士」育成ラボ」を運営することで次代の科学分野を担う人材(未来の博士)を育成することを目的とする。
- 科学に対する強い探究意欲を持ち、高度で未知の課題に主体的に挑戦する能力
- 自ら創意、工夫し主体的に独創的な研究を推進できる能力
- 論理的な思考力と優れたプレゼンテーション能力
- 個を尊重しながら共同で科学研究を進めていく能力
特に、未来の博士育成ラボラトリーでは、堺市教育委員会・教育センターと連携することで、堺市教育センターが堺市の小学校6年生を対象に運営する理科教育組織「堺サイエンスクラブ」の活動を修了した科学に対する意欲・能力に優れている生徒を「「未来の博士」育成ラボ」事業に受け入れ、高等教育機関である本学独自のプログラムを継続して提供し、育成することで上記の目的達成に取り組む。
研究内容の概要
本学が有する理系知財(理系教員・学生・留学生・先端研究施設・先端実験器材)を総合的に活用し、科学に対して高い意欲と知識を有する中学生の能力・資質を伸長させる高度で多様な科学教育プログラム(実験研究活動、講演、ワークショップ等)を開発する。
また、民間企業とも連携し、プログラムの共同開発や民間企業独自の視点による実験プログラムの導入等科学教育事業における産学連携にも取り組む。
さらに、堺市教育センターとの連携では、堺市の中学理科教員の指導能力の向上に向けた研修活動も共同で展開することで、現場レベルでの中学理科教育の水準向上にも協力する。
構成員
所長
川又 修一(工学研究科 教授)
研究員
区分 | 教授 | 准教授 | 講師 |
---|---|---|---|
工学研究科 | 有馬 正和 小西 啓治 |
安齋 太陽 原 尚之 |
– |
理学系研究科 | 久保田 佳基 | 河相 武利 | – |
人間社会システム科学研究科 | 竹中 規訓 | 小島 篤博 | – |
生命環境科学研究科 | – | 中村 彰宏 | 中澤 昌美 |
客員研究員
機関 | 役職 | 氏名 |
---|---|---|
堺市教育センター 科学教育グループ | 主任指導主事 | 横山 考志 |
堺市教育センター 科学教育グループ | 主任指導員 | 曽我部 弥生 |
大阪府立大学 | 客員研究員(工学) | 川田 博昭 |
堺市教育センター 科学教育グループ | 主任指導員 | 細谷 智美 |
設立年月日
2019年6月1日
SDGs達成への貢献
大阪府立大学は研究・教育活動を通じてSDGs17(持続可能な開発目標)の達成に貢献をしています。
本研究センターはSDGs17のうち、「4:質の高い教育をみんなに」、「9:産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献しています。
お問い合わせ
工学研究科 教授 川又 修一
Tel 072-254-9135 Tel 3650(内線) Eメール s-kawamata[at]riast.osakafu-u.ac.jp[at]の部分を@と変えてください。