大阪府立大学

生物科学専攻の教育目的、教育目標、ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー

教育目的

博士前期課程

博士前期課程では、分子から生態系までの階層構造をもつ生命現象を、普遍性と多様性の視点から総合的に理解することができる基礎力を育成し、その上に立って、高度な研究を行うために必要な手法と分析力を養うことを目標に教育研究を行う。世界レベルの最先端の生物科学の研究に携わることを通して、生物や生命現象の本質を捉えるために必要な能力と洞察力、英語によるコミュニケーション能力を重点的に鍛錬し、課題発見能力と問題解決能力を備えた人材を育成する。

博士後期課程

博士後期課程では、教員の指導のもとに、各自がそれぞれの分野における未解決の重要な課題を設定し、最先端の生物科学の研究を遂行することを通して、生物や生命現象の本質を捉えるために必要な能力と洞察力を養う。研究の遂行能力に加えて、新たな研究計画の立案と評価を行うための能力、英語によるコミュニケーション能力やディスカッション能力を鍛錬し、国際会議での研究発表や短期海外留学を積極的に行うことにより、世界に通じる自立した高度専門職業人・研究者を育成する。

教育目標

博士前期課程

目的を実現するために具体的な教育目標を次のように設定する。

  1. 生物科学の階層性を認識し、以下3つに分けるミクロからマクロにわたる各レベルの最先端の生物科学を学ぶ。
    (1)遺伝子およびタンパク質の構造と機能について
    (2)細胞の構造と機能および発生・分化のメカニズムについて
    (3)環境・生態および進化について
  2. 上記生物科学をベースにして、その応用を視野に入れ、境界領域に研究を広げることの出来る学力を身に付ける。
  3. 科学の共通言語である英語について、英文テキストや最新の英語論文を読む能力、研究成果を英語論文として発信する能力、英語によるコミュニケーション能力を鍛錬する。
  4. 教員の指導の下で、生物科学の特定の研究課題について研究を行い、自分で研究を組み立て、遂行する能力を培う。その際に、研究者倫理を養いながら、研究課題の問題点を明確にし、文献探索、指導教員や研究グループ内でのディスカッションなどから、その問題解決をめざす実験計画を自ら導きだし、得られた結果の解析・評価を行う能力を鍛錬する。さらに、得られた結果をまとめて、明解な発表を行う能力を習得する。

博士後期課程

目的を実現するために、具体的な教育目標を次のように設定する。

  1. 教員の指導の下で、各自が生物科学の特定の研究課題を設定し、そのための研究計画を組み立て、遂行する能力を培う。その際に、研究者倫理を養いながら、研究課題の問題点を明確にし、文献探索、指導教員や研究グループ内でのディスカッションなどから、自らその問題点解決のための実験を構築・遂行し、得られた結果の解析・評価を行う能力を鍛錬する。
  2. 得られた研究成果を、学会あるいは論文など様々な形で発表する能力を習得する。
  3. 科学の共通言語である英語について、英文テキストや最新の英語論文を自由に読みこなす能力、研究成果を英語論文として発信する能力、国際セミナーや会議などでコミュニケーションを行う能力を培う。
  4. 最先端の研究を行っている研究者の研究成果に講義を通じて触れ、ディスカッション等を通じて研究能力を向上させる。

ディプロマ・ポリシー(学修評価・学位の授与方針)

博士前期課程

以下の資質・能力を身に付けたものに対して修了を認定し、学位を授与する。

  1. 生物の階層性を認識し、以下ミクロからマクロにわたる各階層での最先端の生物科学を理解している。
    (1)遺伝子DNAやタンパク質など生体分子の構造と機能について
    (2)細胞の構造と機能および発生・分化のメカニズムについて
    (3)環境・生態および進化について
  2. 上記生物科学をベースにして、その応用を視野に入れ、境界領域に研究を広げることのできる学力を備えている。
  3. 科学の共通言語である英語について、英文テキストや最新の英語論文を読む能力、研究成果を英語で発信する能力、英語によるコミュニケーション能力を身に付けている。
  4. 自分で実験や調査を組み立て、遂行する能力を身に付けている。
  5. 研究者倫理を養いつつ、問題解決をめざす実験計画を自ら導きだし、得られた結果の解析・評価を行う能力、ディスカッション能力、まとめて明解な発表を行う能力を身に付けている。

博士後期課程

以下の資質・能力を身に付けたものに対して修了を認定し、学位を授与する。

  1. 各自が生物科学の特定の研究課題を設定し、そのための研究計画を組み立て、遂行する能力を備えている。
  2. 研究者倫理を養いつつ、研究課題の問題点を明確にし、自らその問題点解決のための実験を構築・遂行し、得られた結果の解析・評価を行う能力を身に付けている。
  3. 得られた研究成果を、学会あるいは論文など様々な形で発表する能力を身に付けている。
  4. 科学の共通言語である英語について、英文テキストや最新の英語論文を自由に読みこなす能力、研究成果を英語論文として発信する能力、国際セミナーや会議などでコミュニケーションできる能力を身に付けている。
  5. 最先端の研究を行っている研究者の研究成果に触れ、理論と実験の両面から取り組める研究能力を身に付けている。

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施方針)

博士前期課程

  1. 最先端の生物科学を理解するため、生体分子科学分野および分子細胞生物学分野、生物機能・多様性科学領域に重点を置いた教育課程全体を編成し、境界領域に研究を広げることの出来る学力を養う。
  2. 生体分子科学領域では生体分子間の相互作用に着目し、タンパク質やペプチドなどの生体分子の構造と機能、光刺激に対する細胞応答の分子機構等について研究するために、生命化学特論、構造生物学特論、細胞機能制御化学特論を置く。
  3. 分子細胞生物学領域においては、神経やホルモンによる情報伝達系のしくみ、分子進化の機構、臓器や組織の形成機構、環境変異原物質や放射線のストレスに対する細胞応答、などの高次生命現象を研究するために、生物工学特論、環境ストレス生物学特論、細胞生物学特論を置く。
  4. 生物環境科学領域においては、植物の成長、植物の多様性と種の分化、昆虫の行動や生態、などを対象にした室内実験、野外調査(フィールドワーク)、理論的研究などをするために、生態学特論、遺伝子科学特論、生物機能科学特論、植物生理学特論を置く。
  5. 豊かな教養、公正性の高い研究を実施するための倫理観や、現代社会が求める多様な能力を養成するために大学院共通教育科目を置く。
  6. 科学分野における英語で発信する能力、英語によるコミュニケーション能力を身に付けるため、「サイエンスコミュニケーション」科目を置く。
  7. 世界レベルの最先端研究に触れることを通して、生物科学のみならず、環境科学などの学際的科学にも対応できる感覚を身に付けるために、学外講師による特別講義を置く。
  8. 研究課題の問題点を明確にし、文献探索、指導教員や研究グループ内でのディスカッションなどから、その問題解決をめざす実験計画を自ら導きだし、得られた結果の解析・評価を行う能力を養うために、研究企画ゼミナール、特別演習を置く。
  9. 指導教員の下で、生物科学の特定の研究課題について研究を行い、自分で研究を組み立て、遂行する能力を身に付けるため、特別研究科目を置く。
  10. 成績評価の基準と方法および学位論文の審査については、理学系研究科のカリキュラムポリシーで定める。

博士後期課程

  1. 生物科学のより高度な専門的な知識および技術を有する研究者を養成するための教育課程を編成する。
  2. 豊かな教養、公正性の高い研究を実施するための倫理観、現代社会が求める多様な能力を養成するために大学院共通教育科目を置く。
  3. 研究計画の立案について指導し、さらに研究の遂行、研究結果の解釈、学位論文作成などに関する助言を与え、高度な専門知識と柔軟な思考力、研究遂行能力、発表する能力を合わせ持ち、自ら研究課題を発見し解決する能力を養うために、特別研究、特別演習、研究企画ゼミナールを置く。
  4. 研究の遂行、学位論文の作成を通じて、英語論文を読みこなす能力、英語論文を発信する能力、英語のコミュニケーション能力を修得するために、サイエンスコミュニケーション科目を置く。
  5. 他分野の最先端研究に触れ、ディスカッション等を通じて理論と実験の両面から取り組める研究能力を修得するために、学外講師による特別講義を置く。
  6. 成績評価の基準と方法および学位論文の審査については、理学系研究科のカリキュラムポリシーで定める。

アドミッション・ポリシー(学生受入の方針)

博士前期課程

本専攻では、分子から生態系までの階層構造をもつ生命現象を、普遍性と多様性の視点から総合的に理解することができる基礎力を育成し、その上に立って、高度な研究を行うために必要な手法と分析力を養うことを目標に教育研究を行う。

世界レベルの最先端の生物科学の研究に携わることを通して、生物や生命現象の本質を捉えるために必要な能力と洞察力、英語によるコミュニケーション能力を重点的に鍛錬し、課題発見能力と問題解決能力を備えた人材を育成する。

したがって、生物科学専攻では、次のような学生を求める。

  1. 大学の理系学士課程において生化学、分子細胞生物学、有機化学、物理化学、生態学および進化系統学などを履修し、生物科学の専門家になるための基礎学力を有している人
  2. 研究活動に必要な科学英語の基礎学力を有している人
  3. 生物とその関連分野における専門的知識と技能を身に付け、それを背景にして将来社会に幅広く貢献したいと思っている人
  4. 知識を積み上げるだけでなく複雑な事実関係を統合する能力、論理的解釈・洞察能力を身に付ける意欲をもっている人
  5. 自らの考えを伝えるとともに、他者の意見を理解するコミュニケーション能力を身に付けようと考えている人

以上に基づき、次の能力や適性を身に付けた学生を選抜する。

  1. 生物科学および関連科学分野の基礎学力を備えていること
  2. 英文等で書かれた学術論文を読むための語学力を備えていること
  3. 研究に対する意欲と具体的な展望を持ち、研究のために必要な論理的思考力を有すること
  4. 教員や学生同士との議論をできるコミュニケーション能力を有すること

博士後期課程

本専攻では、教員の指導のもとに、各自がそれぞれの分野における未解決の重要な課題を設定し、最先端の生物科学の研究を遂行することを通して、生物や生命現象の本質を捉えるために必要な能力と洞察力を養う。

研究の遂行能力に加えて、新たな研究計画の立案と評価を行うための能力、英語によるコミュニケーション能力やディスカッション能力を鍛錬し、国際会議での研究発表や短期海外留学を積極的に行うことにより、世界に通じる自立した高度専門職業人・研究者を育成する。

したがって、生物科学専攻では、次のような学生を求める。

  1. 理系の大学院博士前期課程において生物科学、その関連分野での教育課程を修了しているか、もしくはそれと同等の能力を身に付けている人
  2. 自然科学研究に必須な分析力、思考力、論理構築力をもち、自ら研究を立案計画し実施することができる人
  3. 英語の論文や報告書を読み、英語で研究成果を発表するための能力がある人
  4. 研究成果を適切にまとめることができるとともに、他者の意見を理解し、議論できるコミュニケーション能力を身に付けている人
  5. 生物科学とその関連分野における高度な専門的知識と技能を身に付け、それを背景にして将来社会に幅広く貢献することをめざしている人
  6. 共同研究などで相互の役割を理解し、協力して研究推進、研究議論、研究成果の取り纏めができる能力を有している人

以上に基づき、次の能力や適性を身に付けた学生を選抜する。

  1. 大学院の博士前期課程修了程度以上の生物科学および関連科学分野の基礎学力を備えていること
  2. 英語論文の読解力を持つとともに、英語による表現能力を有していること
  3. 教員や学生同士との議論を通じて自然現象、とくに生物科学に関する現象を深く考察できる論理的思考力とコミュニケーションの能力を備えていること
  4. 知的好奇心を持ち専門分野あるいは関連する分野について、博士前期課程修了程度以上の研究能力を持ち、自ら研究を立案・計画・遂行できる能力を備えていること