知識情報システム学類 教育目的、教育目標、ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー
教育目的
人々や社会の日常活動に不可欠な情報システムを実現するために、情報技術に関する理論やインターネットを使いこなす実践力などの高度情報化社会の基礎となる情報に関連する広範な専門分野の基礎学力を身に付け、誰もがどこでもいつでも利用できる情報システムをデザインする能力、他者の価値観を尊重できる柔軟さと包容力を備えた上で自律的な判断基準で行動する責任力、環境科学、社会科学、人間科学、経済・経営科学などの社会システム科学に関連する専門分野の特性を理解し、技術の進歩および社会の変容にともなう課題を継続して解決するための科学的な分析力・思考力を持つ人材を育成することを目的とする。
教育目標
教養・倫理
- 人文・社会・自然科学に関する幅広い教養を身に付けるとともに、環境科学、社会科学、人間科学、経済・経営科学などの社会システム科学に関連する分野の基礎知識を身に付け、幅広い視野で物事を考える素養と能力を身に付ける。
- 情報通信技術が人間社会ならびに環境に及ぼす影響を理解し、社会的な倫理観と責任感をもとに自分で判断して行動できる能力を身に付ける。
総合力
- 知識科学、情報システム工学分野を基盤とし、それらの関連分野の広範な知識と技術を体系的に理解し、身に付けるとともに、それらの知識や技術を応用することのできる創造的な思考能力を身に付ける。
- 大量かつ多様な情報から必要な情報を収集し、論理的に分析し、新たな知識、法則、特徴などを発見する能力を身に付けるとともに、社会的問題に対する分析と課題発見の能力、課題を定量化・モデル化する方法を身に付け、すでに獲得した知識や技術を総合的に活用することにより、課題を解決するためのシステムデザイン能力およびシステム・マネジメント能力を身に付ける。
コミュニケーション能力
- 自分の考えを論理的にまとめ、的確に表現する能力を身に付けるとともに、他人の意見を理解し討論する能力、情報技術を活用して情報を発信する能力などのコミュニケーション能力を身に付ける。また、英語などの外国語による読解力、リスニング力、表現力を養い、国際的なコミュニケーション基礎能力を身に付ける。
自主学習・プロジェクト
- 知識科学、情報システム工学分野とそれらの関連分野において、自ら学習目標・達成目標をたて、新たな知識や必要とする情報を収集し、社会の変化に対応して継続的、自律的に生涯にわたって学習できる能力を身に付ける。
- グループで協議・協働して調査・実験・学習する能力を身に付けるとともに、グループ内における自らの立場と役割を理解し、課題解決のためのプロジェクトを遂行できる能力を身に付ける。
ディプロマ・ポリシー(学修評価・学位の授与方針)
知識情報システム学類では、現代社会の維持・発展に不可欠となっている情報システムについて理解するとともに、サステイナブルな社会を実現するための課題解決の手段として活用することができるような情報システムを主体的にデザインする能力、また急速に進歩し続ける情報通信技術を積極的に取り入れる態度を身に付けることで、社会の変容にともなう課題を継続して解決するための科学的な分析力・思考力を持つ人材を育成することを目的とする。
このような目的に従い、以下の能力を持つものに対して学位を与える。
知識・技能
- (多面的視点)自然科学、社会科学、人間科学に関する統合的知識・技能を持つとともに、知識情報システム学に関する専門知識を身につけ、現実社会の事象を多面的に捉えることができる。
- (データ活用力)情報通信技術を積極的に取り入れ、データサイエンスの知識・技能を用いて、事象を分析・説明することができる。
- (コミュニケーション能力)複数の言語の知識・技能を活用して、多様な人々とコミュニケーションすることができる。
思考力・判断力・表現力
- (領域横断的応用力)情報学、社会科学、知識科学、生産科学、医療保健学など、複数領域の知識を横断的に用いて、現代システムに内在する課題の解決を目指すことができる。
- (システム的思考力)現象を多様な要素の相互作用として捉えることによって、現代システムの本質を深く探求することができる。
- (表現力)現代システムの目指すべき方向性とそれを実現するための方策を適切な表現法を用いて説明することができる。
サステイナビリティ志向性
- (社会的責任)情報通信技術が人間社会ならびに環境に及ぼす影響を理解し、現代社会システムの一員としての高い倫理観を有している。
- (サステイナブル志向)サステイナブルな社会の実現を他者と協働して課題解決に粘り強く取り組むことができる。
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施方針)
知識情報システム学類では、社会における諸問題を解決し、知識情報システムを開発・運用できる能力を養うために、以下のようなカリキュラムを提供する。
知識・技能
- 幅広い知識・技能を持ち、事象を多面的に捉えることができる能力を養うために、1年次を中心に初年次ゼミナール、人文・社会系教養科目、自然科学・複合領域系教養科目、専門基礎科目等の共通教育科目を配置する。
- 知識情報システム学類で必要となる専門知識を修得させるため、1年次に座学による必修科目「サステイナビリティ入門」等の学域共通科目、1年次から2年次にかけて「線形代数I,II」「解析学基礎I,II」「コンピュータアーキテクチャ」等の専門基礎科目および、2年次前期必修の「アルゴリズムとデータ構造」等の学類専門科目、各年次に他学類専門科目を体系的に配置する。
- 客観的なデータを用いて正確に分析・判断できる能力を養うために、基盤科目、専門基礎科目、学類専門科目の中にデータサイエンス系科目を配置する。
- 複数の言語を用いて多様な人々とコミュニケーションできる能力を養うために、基盤科目として英語科目および初修外国語科目、2年次から3年次までの必修科目として演習形式による「知識情報システム学演習I-IV」、4年次の必修科目として「知識情報システム学英語演習」などのコミュニケーション系科目を配置する。
思考力・判断力・表現力
- 現象を多様な要素の影響の関係性として捉えることによって、問題の本質を理解することができる力(システム的思考力)を養うために、2年次から【システム・ネットワーク】【社会科学】【医療・教育】のそれぞれの分野に分かれた座学を基礎とする学類専門科目の中にシステム系科目を配置する。
- 複数の領域の知識を横断的に用いて、問題を概念化して共通性を抽出し、分析・解決することができる力(領域横断的応用力)を養うために、演習形式の「知識情報システム学演習II」などの学域共通科目、他学類専門科目を配置する。
- 自らが行った問題解決への筋道を適切な表現法を用いて説明することができる力を養うために、プレゼンテーションを課す科目として「知識情報システム学演習IV」などを配置する。
サステイナビリティ志向性
- 持続可能性に関する基本的知識を身に付け、市民としての社会的責任を自覚する能力を養うために、学域共通科目の中にインターンシップを倫理系科目として配置する。
- 自ら課題を発見して取り組む継続的学習能力、他者と協働して課題解決に取り組むことができる能力を養うために、学類専門科目の中に演習系科目として2年次から3年次まで「知識情報システム学演習I-IV」を必修科目として配置し、4年次に「知識情報システム学卒業研究」を必修科目として配置する。
なお本学類の学修成果の評価方針は現代システム科学域カリキュラムポリシー記載のものと同一とする。
アドミッション・ポリシー(学生受入の方針)
知識情報システム学類は、技術の急激な発展と価値観の多様化する現代社会が抱える様々な課題に対応するために、多種多様な情報や知識を整理し、課題の分析・解決を行う上で必要となる情報システムのデザイン能力およびマネジメント能力を養うための教育研究を行います。知識科学、情報システム工学をはじめとする情報に関連する広範な専門教育に加えて、社会システム科学に関連する教育を行うことにより、柔軟な発想および論理的思考にもとづく課題発見能力と問題解決能力を育成し、高度情報化社会の発展やそれと調和したグローバル社会の保全に寄与するとともに、外国語能力やコミュニケーション能力に優れた人材の養成をめざします。
したがって、知識情報システム学類では次のような学生を求めています。
- 情報通信技術に関する知識に対して強い関心があり、それらについて学ぶための基礎的知識をもっている人
- 論理的な思考力と自ら学ぶ探求心を備え、勉学意欲に溢れる人
- 国際的視野をもって地域社会や国際社会に貢献することをめざす人
- 個人情報保護など高い情報倫理観をもって課題解決に励む意欲をもっている人
以上に基づき、次の1〜5の能力や適性を身につけた学生を選抜します。
- 高等学校における教科・科目を文理ともに広く学習し、高い基礎学力を有していること
- 英文を読んで理解し、書いて表現するための基礎的な能力を身につけていること
- システム的諸課題を取り扱うための基礎的な数学的素養を学んでいること
- 英語あるいは数学のどちらかが得意で、論理的な思考力を備えていること
- 他者を理解し、主体的に学習に取り組むことができること
一般選抜(前期日程)
高等学校における教科・科目を文理ともに広く学習し、高い基礎学力を有していることを、大学入学共通テスト、調査書によって評価します。また、英文を読解し、書いて表現する能力を有していることを、個別学力検査の英語によって評価します。また、基礎的な数学的素養を有していることを、個別学力検査の数学によって評価します。さらに、英語あるいは数学のどちらかが得意で、論理的な思考力を備えていることを、個別学力検査の英語、数学によって評価します。加えて、他者を理解し、主体的に学習に取り組むことができることを、調査書によって評価します。
学校推薦型選抜
高等学校における教科・科目を文理ともに広く学習し、高い基礎学力を有していることを、大学入学共通テスト、調査書、推薦書によって評価します。また、英文を読解し、書いて表現する能力、基礎的な数学的素養および論理的な思考力を備えていることを、大学入学共通テストの外国語(英語)、数学、国語によって評価します。さらに、他者を理解し、主体的に学習に取り組むことができることを、活動報告書、調査書、推薦書によって評価します。
外国人留学生特別選抜
大学で学習するための基礎学力を有していることを、日本留学試験、最終出身学校の成績証明書によって評価します。また、英文を読解し、書いて表現する能力を有していることを、TOEFLの成績によって評価します。また、基礎的な数学的素養を有していることを、日本留学試験の数学によって評価します。さらに、論理的な思考力を備えていることを、小論文、口頭試問・面接によって評価します。加えて、他者を理解し、主体的に学習に取り組むことができることを、口頭試問・面接によって評価します。