大阪府立大学

知識情報システム学類 概要

情報技術だけでなく、経済・経営などの社会システム科学について学修。
これにより革新的なサービスを生み出す人材を育成。

知識情報システム学類

知識科学、情報システム工学などの情報技術について学ぶだけでなく、環境科学、社会科学、経済・経営科学、材料情報科学、保健や医療、教育などの社会システム科学に関する専門分野の理解を深め、これらの融合領域において創造性豊かで、自ら課題解決のできる人材を育成していきます。例えば、より資源を有効に活用するこれからの社会の姿について学び、それを実現するために必要なシステムを自分たちで考えていく、あるいは、現代の企業が抱えているビジネスの課題について深く学び、それを克服する調和のとれた解決策について提案できる人材です。しっかりと目的を見定めながら解決するためのツールとして、情報テクノロジーに関する知識やスキルを身につけていくことができます。

4つの学習領域

情報ネットワーク系

インターネットやWebサービスなど情報ネットワークに関する基本的な知識や技術を身につけ、また情報システムの設計、企画・運営法、情報セキュリティなどの知識を持つ人材を育成しています。

さらに、機械学習やIoT(Internet of Things)、5G (第5世代移動通信システム)などの最新技術を理解し、これらを応用した新しい技術やサービスを創造する能力を養います。

人工知能系

インタラクション領域

ヒトに優しく賢い情報システムを開発する素養を身につけます。

このためには、ヒトのことを人工知能がよく理解し、私たち1人1人に寄り添う対話(インタラクション)の中で、ニーズを汲み取り、知を引き出し高めてくれるような「ヒューマン・アウェア(human-aware)」な仕組みを実現できる能力を身につける必要があります。そのための知識科学、認知科学、知識モデリング技法、システム企画、開発方法を修得した人材を育成しています。

データ科学領域

従来の方法では解決できない社会問題を、システム思考に基づいてアプローチする一つの手段として人工知能の技法を活用できる人材を育成します。

人工知能の基礎知識や機械学習の理論的知識を学び、オペレーションズリサーチ等で社会問題が数理的最適化問題として解決できることを実感します。これらの知識がモノづくりに生かされるよう、プログラミングの基礎学習と実践演習を行い、社会を最先端に導く土台を作ります。

社会科学系

企業や自治体における情報システムの有効性に関する実証分析や、情報技術を利用した新しい制度(ネットオークション等)を作る理論分析手法、POSデータなどのビジネスやマーケティングに関するデータを解析し、組織の意思決定をサポートする理論やデータ解析手法などの知識をもった人材を育成しています。

ヘルスケア系

超高齢化社会の先頭を走るわが国は、世界に先駆けて、健康、医療、介護などの課題を解決していかなければなりません。

そこで、知識情報システム学類で学ぶ基礎的な情報科学の知識や、他学類や他学域の最先端の技術を活用して、より健康で心豊かなヘルスケア社会の実現に寄与できる人材の育成をめざしています。

具体的には、IoT による生体データの収集・分析と活用方法、未病予防や健康経営手法における行動変容モデルの構築、ロボットやAR・VR などのICT を活用した質の高い医療者教育システムの開発など実践的な活動の場を通して学びます。

履修例

自分の目的に応じて他の分野の専門科目を組み合わせることで、将来に役立つ実践的な力を身につけることができます。

Pattern1環境に配慮したシステム構築・管理ができる人材へ

知識情報システム学類

情報ネットワーク

インターネットなどのネットワークの構成法やネットワークを介したさまざまな情報の収集・利用方法を学びます。

環境システム学類

再生可能エネルギー学

気候変動の仕組みやエネルギー循環、太陽光や風力、海洋エネルギーなどさまざまな再生可能エネルギーの仕組みや特徴について学びます。

例えば

各家庭にスマートメータ(通信機能付きの電気製品制御機器)を配置してネットワークを介して制御するなど、スマートグリッド技術(高度な省エネ技術)を生かすことによる持続・再生可能なエネルギー社会を実現するための力が身につきます。

Pattern2人にやさしい情報システム開発をできる人材へ

知識情報システム学類

知識モデリング

人間のナイーブな認識を説明する知識構造や認知の仕組みをコンピュータに組み入れ、人のように自意識を持って考えることができるコンピュータを実現する方法を学びます。

環境システム学類

認知科学I・II

知覚・理解・記憶・思考・学習・推論・問題解決など人間の高度な認知機能を対象とし、さらに人間の認知モデルの構築や応用について学びます。

例えば

人間がコンピュータに合わせるのではなく、コンピュータが個々の人間の能力に合わせてくれるような、人にやさしい情報システム開発するための力が身につきます。

Pattern3医療現場におけるシステム構築・管理ができる人材へ

知識情報システム学類

ヘルスケアシステム

人々の健康を維持するために高度なヘルスケア(保健・医療)サービスを提供するための情報通信技術の必要性および活用方法について学びます。

マネジメント学類

会計学入門I・II

企業活動を客観的に評価する基準としての会計情報の処理方法や、読み取り方について学びます。

例えば

病院などの医療機関における医事会計システム、電子カルテに代表されるような医療情報システムを開発するための力が身につきます。

取得できる免許・資格・受験資格

  • 高等学校教諭一種免許状(情報)

卒業後の進路について

メーカー、商社からIT企業、医療機関、学校教員まで。
情報科学分野を中心に幅広い分野から進路選択可能。

メーカー(電気系・自動車系など)・商社・金融・流通・小売企業の情報システム部門や、インターネット・通信・ソフトウェアの開発企業の情報通信業をはじめ、医療機関、学校教員、公務員などさまざまな進路への就職が可能です。より高い専門性を身につけたい人は、国際交流協定校への交換留学や大学院への進学を奨めます。