大阪府立大学

工学域 教育目的、教育目標、ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー

教育目的

工学域は、科学と技術の融合領域である工学において、真理の探究と知の創造を重視し、自然環境と調和する科学技術の発展を図り、持続可能な社会の発展と文化の創造に貢献することをその基本の理念とします。この理念のもとで教育を実践し、幅広い総合的知識および工学分野の専門知識に基づいて問題を認識し、評価し、解決する基本的な能力を培い、創造性と個性を有し、豊かな教養、高い倫理観と専門能力を兼ね備えた人材を育成します。

教育目標

工学域においては、次の項目を具体的な達成目標とします。

  • 豊かな教養をもち、工学が、自然、環境、社会、歴史、人間、文化とどのような関係にあるかを深く理解します。
  • 工学の専門知識と技術を体系的に学び、応用できます。
  • 日本語で科学・技術上の文章を、読み、書くことができ、論理的・科学的な議論ができます。
  • 技術者として、国際社会で活躍するのに必要な英語による論理的な記述力、口頭発表力、討議などのコミュニケーション基礎能力をもちます。
  • 科学・技術を利用することにより、対象を論理的・科学的に分析することができます。
  • インターネットなどを用いて多種多様な科学・技術の情報を、収集・分析し、判断することができます。
  • 科学・技術を利用することにより、社会の様々な問題を解決するための創造能力(デザイン能力)をもちます。
  • 科学・技術が社会と自然に及ぼす影響を認識し、技術者が社会に対して負っている責任を自覚し、高い倫理観をもちます。
  • 科学・技術の知識を、生涯に渡って、自主的、継続的に学習・習得する能力を身に付けます。

ディプロマ・ポリシー(学修評価・学位の授与方針)

真理の探究と知の創造を重視し、自然環境と調和する科学技術の発展を図り、持続可能な社会の発展と文化の創造に貢献することをその基本の理念とする。この理念のもとで教育を実践し、幅広い総合的知識および工学分野の専門知識に基づいて問題を認識し、評価し、解決する基本的な能力を培い、創造性と個性を有し、豊かな教養、高い倫理観と専門能力を修得した者に学位を授与する。

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施方針)

  • 「大阪府立大学学士課程が目指す学修成果」の達成を目的として、教育課程編成を行う。
  • 工学の基礎に根ざした学問の系統性と順次性を尊重し、共通教育科目、専門基礎科目および専門科目(学域共通科目、学類共通科目、課程専門科目)により構成される整合性・一貫性を持つ体系化された教育課程を編成する。
  • 学類内の課程への所属は経過選択型とし、柔軟で自由度の高い進路選択を可能にする。特に学域共通科目と学類共通科目を適切に配置し、転学類・転課程が可能になるようなカリキュラム編成により、幅広い学修と柔軟な進路変更を可能とする。
  • 共通教育科目の履修により、教養豊かな人間性と幅広い学修成果を獲得させる。専門基礎科目の履修により、工学を学ぶために必要な自然科学全般についての基盤的知識を修得させる。専門科目の中でも、特に学類全体で必要とされる科目を学類共通科目に指定する。同様に学類を問わず幅広く必要とされる科目を学域共通科目に指定する。
  • 基礎学力を重視するために専門基礎科目を履修させ、専門科目の基礎となる数学や自然科学を学修することにより、生涯に渡る学びの基礎を築かせる。
  • 1年次では、幅広い学修を保証し、豊かな教養を涵養するために必要な共通教育科目を中心に配当し、2年次では、初年次で得られた基礎的で幅広い学修成果を3年次以降の専門科目履修に繋げることを目的に、専門基礎科目と各課程の基礎的な専門科目を中心に配当し、3年次以降では、課程専門科目を中心に配当し、講義・実験・実習・演習などを通して、専門分野に関する問題解決に応用できる能力を育成する。
  • 成績評価の基準は以下のとおりとする。
    1. 成績評価は、学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)を踏まえ、授業科目ごとに「到達目標」を設定し、履修者の到達目標に対する達成度に応じて、履修規程第14条に定めた基準に沿って、A+からDの評語で評価する。特に、単位修得(C以上)の基準を到達度として明記する。
    2. 学期ごとに全ての授業の成績分布を集計し、到達目標の達成度について組織的に検討し、改善をはかる。
    3. 成績評価は、達成度の絶対評価を基本として行うが、受講者数が少ない科目を除き、偏った評語の分布にならないように努力する。また、偏った分布になった場合はその原因を分析し、次期以降に改善をはかる。
  • 成績評価の方法は以下のとおりとする。
    1. 成績評価は、最終の定期試験のみに偏重することなく、レポート、プレゼンテーション、学修態度等の多様な要素を組みあわせて到達目標の達成度を評価する。なお、授業への出欠状況は成績評価には使わない。
    2. 具体的な評価方法は、授業担当教員が決定し、評価の基準、評価に用いる項目の配分を含めて、シラバスを通じて学生に事前に提示する。

アドミッション・ポリシー(学生受入の方針)

工学域は、かつての自由都市堺に立地し、その伝統的気風、すなわち「自由と進取の気風、新しい文化と産業の創造、世界雄飛」をモットーに、真理の探究と知の創造を重視し、自然環境と調和する科学技術の進展を図り、持続可能な社会の発展と文化の創造に貢献することをめざしています。

このために、人と社会と自然に対する広い視野と深い知識をもち、豊かな人間性と高い倫理観および専門能力を兼ね備え、工学における重要な課題を主体的に認識して問題の解決に努め、社会の発展、福祉の向上および文化の創造に貢献できる技術者・研究者を育てることを目標にしています。

したがって、工学域では、学問を深く継続して学ぶ意欲に富み、人や自然を愛し、人類の持続可能な発展と世界平和に関わる未知の問題に果敢に立ち向かい、地球環境を守るという気概をもつ、次のような学生を求めています。

  1. 工学を学ぶことに対する目的意識を明確にもち、社会の発展に貢献する意欲をもっている人
  2. 自由闊達で何事にも興味をもち、主体的、積極的に学び自ら新たな課題を見つけ研究をしていこうとする人
  3. 工学的諸問題への強い関心と、問題解決への目標意識をもっている人

以上のような、工学域の教育理念・目的にふさわしい次の1~4の能力や適性を身につけた学生を選抜します。

  1. 高等学校における教科・科目を広く学習し、高い基礎学力を有していること
  2. 工学における諸課題に取り組むための基礎的な数学の素養、物理学の素養および化学の素養を身につけていること
  3. 英文を読んで理解し、書いて表現するための基礎的な能力を身につけていること
  4. 論理的に考える素養を身につけていること