大阪府立大学

学域長あいさつ

菊田久雄教授

工学は価値を創生する学問、正解は一つだけではない。
総合的知識と専門知識に基づいて問題を認識し、解決する基本的な能力を身につけることが、工学域での学びです。

物理学や化学などに代表される自然科学は自然の原理を探究する学問です。一方、工学は「ものつくり」だけでなく「価値を創生」することで、我々の生活や社会、環境を快適にする学問です。インターネットの普及でネットショッピングが生まれたように、新しいもので新しい価値が生まれます。

工学の世界では試験問題の解答のような唯一の正解はありません。現代の科学技術は個々の科学や技術の発展だけでなく、それらを組み合わせることで成り立っています。工学においては課題の解決方法は幾通りも存在し、最も適切な方法を探究することは工学の最大の魅力です。多くの研究者や技術者がそれぞれの方法で課題解決を図ることにしのぎを削っています。一方、考えが及ばずに誤った方法を選択すると、社会や環境に弊害をもたらします。研究者や技術者は個々の技術開発に責任を負うだけでなく、課題を解決した後の社会や環境に対しても責任を負わなければなりません。そのためには専門分野を探究する力を備えるだけでなく、工学が環境や社会、文化とどのような関係にあるかを深く理解しておくことが求められます。

工学域では、幅広い総合的知識と専門知識に基づいて問題を認識し、解決する基本的な能力が培われた人材を育成します。また、これらの能力に基づいて創造性と個性を伸ばし、豊かな教養と高い倫理観を兼ね備えた人材を育成します。4年間の学びにおいて、工学の専門知識と技術を体系的に学んで応用できるようになるとともに、豊かな教養をもって工学と環境や文化などとの関係を理解できるようになることを目標にしています。そのためには、科学技術文章を読み書きする能力のほか、国際社会で活躍するための英語によるコミュニケーション能力、多種多様な科学技術の情報を収集・分析・判断する能力、社会の問題を解決するための創造能力(デザイン能力)、そして生涯に渡って自主的に学習する能力を身に付けます。

本工学域での学びを通して、世界というグローバルな舞台で研究者、技術者として活躍されることを切に願っています。

工学域長
菊田 久雄