大阪府立大学

O157等の細菌の迅速検出が可能なセンサを開発し、大学発ベンチャーの設立をめざす―JST START(大学発新産業創出プログラムプロジェクト支援型)に採択―

更新日:2019年10月28日

大阪府立大学大学院 工学研究科 応用化学分野の椎木 弘 准教授(分子認識化学研究グループ)の提案した研究プロジェクト「高感度標識による細菌及びウイルスの迅速検出」が、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)が公募する研究成果展開事業 大学発新産業創出プログラム(START(解説1))「プロジェクト支援型」(予算申請額 1億1700万円)に採択されました。研究開発実施期間は2019年11月1日~2022年3月31日となります。「START」では、事業化ノウハウを持った事業プロモーターと大学等の研究者をつなぎ、研究開発と大学発ベンチャー設立等の事業育成を支援します。本プロジェクトでは、大腸菌O157(解説2)やサルモネラ菌等、感染すると重篤な症状を引き起こす可能性のある細菌やウイルス等を迅速検出できるセンサの開発を行い、事業終了後には事業プロモーターであるティーエスアイ株式会社の支援を受けて、当該センサシステムを市場展開するベンチャーの設立をめざします。

本プロジェクトのポイント

  • 菌種によって細胞表面の化学構造が異なることに着目し、細菌の高選択的な光学、電気化学検出に成功。この技術を活用することで、迅速かつ定量性・選択性にすぐれた新規細菌センサの開発に取り組む。これにより現在48時間かかっている細菌の検出検査が約20分に短縮可能に。
  • 事業終了後には大学発ベンチャーを設立し、本プロジェクトで開発された新規細菌センサを食品事業者に提供する事業を展開して、大学でなされた研究成果が大学で完結してしまうのではなく、社会に貢献すると同時に収益を生み出す、持続的な仕組みとしての日本型イノベーションモデルの構築をめざす。

椎木 弘 准教授のコメント

いつでも、どこでも、だれでも検出が可能な細菌センサを開発することで、食品関連の様々な現場での日常的な検査が容易になり、食品事業者の皆様が当該センサを利用した厳格な管理の実現によって安全な食品を消費者の方々に提供することが可能になります。
本事業を通じて、細菌検査市場の拡大とともに、食の安心・安全の向上に基づいた安全で豊かな社会の形成に貢献したいと考えています。

事業概要

設立するベンチャーの事業

標的細菌に選択的なチップの開発によって、細菌の迅速検出を実現するセンサを開発します。このセンサを食品事業者に提供する事業を展開することによって、食の安心安全の向上・安全で豊かな社会の形成への貢献とともに細菌検査市場の拡大をめざす。

研究開発内容

本事業の実現に向けて、主に以下の技術目標を達成し、新規細菌センサの開発をめざす。

  1. 細菌の単一細胞を高感度に検出できるチップの開発
  2. 操作の簡略化による簡単検出法の開発

用語解説

解説1 START(Program for Creating Start-ups from Advanced Research and Technology)

大学発新産業創出プログラム(START)では、事業化ノウハウを持った人材を活用し、大学等発ベンチャーの起業前段階から、研究開発・事業育成のための公的資金と民間の事業化ノウハウ等を組み合わせることにより、ポテンシャルの高い技術シーズに関して、事業戦略・知財戦略を構築しつつ、市場や出口を見据えて事業化をめざします。これにより、大学等の研究成果の社会還元を実現し、持続的な仕組みとしての日本型イノベーションモデルの構築をめざします。

解説2 大腸菌O157

腸管出血性大腸菌の一種。毒性の非常に強いベロ毒素を産生し、抵抗力の弱い乳幼児や小児、高齢者が感染すると腎機能等に重篤な症状をもたらし、死に至ることがあります。

関連リンク

お問い合わせ

大阪府立大学大学院 工学研究科

准教授 椎木 弘

Tel 072-254-9875 Eメール shii[at]chem.osakafu-u.ac.jp[at]の部分を@と変えてください。