大阪府立大学

“造船の匠”の技をAIが製造の現場に繋ぐ!―NEDOの「AI技術の早期社会実装に向けた研究開発プロジェクト」に採択―

更新日:2019年7月24日

大阪府立大学大学院 工学研究科 柴原 正和 准教授、人間社会システム科学研究科 野津 亮 准教授およびジャパン マリンユナイテッド株式会社の共同チームが、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の「AI技術の早期社会実装に向けた研究開発プロジェクト(事業費:申請209百万円/5年、当初契約92百万円/2年)」に採択されました。

本研究のポイント

 造船会社での線状加熱作業の写真


造船会社での線状加熱作業

  • 加熱方案の決定が非常に困難なことから、これまで暗黙知であった大型鋼板の曲面成型の線状加熱加工技術を数値解法と熟練技能者の経験を集約したAIを融合することで、非熟練技能者の線状加熱加工作業の判断支援を行うシステムの研究開発をめざす
  • 本取り組みは本学の工学研究科(構造力学)と人間社会システム科学研究科(情報学)の教員らが分野の枠組を越えて取り組む、学内リソースを最大限に活用した産学連携プロジェクト

(注意)曲面成型の線状加熱加工技術とは、加熱線の組み合わせによって任意形状を形成する厚板鋼板の曲げ加工技術。目的形状が複雑であり、技能者の経験と勘に頼る部分が多く、品質や寸法精度、納期の管理が難しい。

研究者コメント

工学研究科 柴原 正和 准教授

超高速FEM(有限要素法)とAIの組み合わせで様々な製造分野におけるモノづくり革新をめざしたいと考えており、本研究は熟練技能者の経験と勘を超える究極的な線状加熱方案の作成を可能にすると考えています。

人間社会システム科学研究科 野津 亮 准教授

これまで培ってきたAIに関する知見を、実際のモノづくりの現場に生かす機会をいただき、とてもありがたく思っております。熟練技能者のデータを学習という観点から捉えることで、認知科学的な発見もあると期待しています。

採択概要

  • 分野
    製造(造船産業の曲げ加工)
  • 採択テーマ
    曲面形成の生産現場を革新するAI線状加熱による板曲げ作業支援・自動化システムの研究開発
  • 事業費
    申請209百万円/5年、当初契約92百万円/2年
  • 委託予定先
    公立大学法人大阪 大阪府立大学、ジャパン マリンユナイテッド株式会社
  • 概要
    大型鋼板の曲面成型の線状加熱加工において、数値解法と熟練者の経験をインテグレートしたAIを融合し、非熟練作業者の線状加熱加工作業の判断支援を行うシステムの研究開発

SDGs達成への貢献

SDGs 9のアイコン

大阪府立大学は研究・教育活動を通じてSDGs17(持続可能な開発目標)の達成に貢献をしています。

本研究はSDGs17のうち、「9:産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献しています。

関連情報

お問い合わせ

大阪府立大学 研究推進本部 URAセンター(担当 熊岡)

Tel 072-254-9128