大阪府立大学

「創薬科学副専攻(仮称)」を2020年4月から新設―「バイオ医薬品」開発で活躍できる人材を育成―

更新日:2019年4月4日

大阪府立大学は、2020年度(2020年4月)から、全学域生(解説1)向け「副専攻(解説2)」として、「創薬科学副専攻(仮称)」を新設します。世界視点での創薬研究・開発事情に対応し、国内外の製薬企業で活躍できるグローバルな創薬研究者、特に「バイオ医薬品」開発に従事できる優秀な人材の養成を目的に、最先端の医薬品開発に必要となる知識と技術を、学域の枠を超えて分野横断的に提供する教育プログラムです。

受講する学生は、薬学系学問に加え、創薬の一連の流れに即した概論や実習(創薬関係の研究室をローテーション)を通じて、バイオテクノロジーを基盤としたゲノム創薬科学、抗体工学や薬物送達学などを学びます。

解説1 全学域生

「学域」は、大阪府立大学における学士課程。他大学の学部に相当。

解説2 副専攻

「副専攻」は、複数分野を学ぶことで広い視野に立った思考力を養うこと等を目的として、主専攻とする分野以外の専門科目を学ぶことができる大阪府立大学独自の教育プログラム。先行して、グローバル・コミュニケーション、DDCフランス語コミュニケーション学、環境学、情報システム学、経済学、認知科学、地域再生(CR)の7つの副専攻を開講している。

本副専攻のポイント(人材育成の方針)

  • 国内外の製薬企業で活躍できるグローバルな創薬研究者、特に「バイオ医薬品」開発に従事できる優秀な人材の養成を目的とする。
  • 疾病原因の解明、医薬品設計や合成、タンパク質・ペプチドの調製、さらには動物を用いた薬物動態や毒性病理実験までの創薬プロセスを理解し遂行できる確かな知識と技術を有した人材を養成する。

履修・開設予定科目等について(構想中のため変更の可能性あり)

担当部局

大阪府立大学 生命環境科学域

生命環境科学域がカリキュラムを構成する主たる科目を提供し、工学域、地域保健学域等に科目提供(既存科目)の協力を要請し、全学域生を対象とした全学副専攻とする。

定員(予定) 20~25名程度(希望者超過の場合は選抜を検討中)
開講科目 創薬科学・プロセスを学ぶために必要な分野ごとに28科目程度を開講。
(うち、本副専攻用の新設科目5科目程度、各学域等での既設科目23科目程度)
授業特徴

創薬概論(必修科目)

製薬企業で活躍する創薬研究者を非常勤講師(ゲストスピーカー)として招き、最先端の研究を紹介する。いくつかのコマでは外国人研究者を招き、英語での授業の実施も検討中。

創薬科学実習(必修科目)

1班4~5名で、5つ程度の創薬関係の研究室をローテーションで回り、創薬に関する実習を行う。

プログラム担当教員のコメント(生命環境科学域 理学類 教授 藤井 郁雄)

本学には薬学部がないため社会から十分に認知されていないが、創薬科学を学ぶ環境は整っている。薬事承認や治験といった創薬の出口までを理解した上で、戦略的に基礎研究のテーマを考えられる人材を育てたい。

「創薬科学副専攻(仮称)」新設の背景

現在、医薬品の世界市場では、「バイオ医薬品」の占める割合が急激に増加しています。「バイオ医薬品」とは、バイオテクノロジーによって創り出されるタンパク質やペプチドの医薬品であり、2019年度ノーベル賞の対象となった抗体医薬「ニボルマブ」のように、がんなどの疾患領域において画期的な医薬品が開発されています。
「バイオ医薬品」を開発するためには、生命科学や医薬品化学の知識や技術とともに、微生物や細胞を利用した遺伝子組換え技術や細胞培養技術など、幅広い専門的技術と知識が必要となります。

創薬科学に関する領域横断的研究分野・教育〈創薬の各ステージと取り組む分野〉

  • 本図表は上部が創薬の段階を示し、下部がそれに関連する領域を示すものである。
  • 新設の副専攻はこの関連領域のうち、創薬生物学領域・創薬化学領域・比較動物医学領域に対応する科目を開講する。

創薬の各ステージと取り組む分野

SDGs達成への貢献

大阪府立大学は研究・教育活動を通じてSDGs17(持続可能な開発目標)の達成に貢献をしています。

本研究はSDGs17のうち、「3:すべての人に健康と福祉を」、「4:質の高い教育をみんなに」に貢献しています。

お問い合わせ

大阪府立大学 教育推進課 教務グループ(担当 井野、西尾)

Tel 072-254-9401