大阪府立大学

文部科学省 平成29年度研究拠点形成費等補助金「7大学連携個別化がん医療実践者養成プラン」始動!

更新日:2017年9月20日

大阪府立大学、近畿大学、大阪市立大学、関西医科大学、神戸市看護大学、神戸大学、兵庫医科大学の7大学は、同じ疾患でも一人ひとりの体質に合った医療を提供する「個別化医療」を実践できるがん専門医療人を養成するため、事業推進代表大学である近畿大学を中心に、「7大学連携個別化がん医療実践者養成プラン」を始動します。始動にあたり2017年9月19日(火)、スイスホテル南海大阪にて、各大学代表者による協定書の調印式を行いました。

ポイント

  • 高多様化する新ニーズに対応した「個別化医療」を実践できる「がん専門医療人」を養成
  •  共同研究による「がんのゲノム情報に基づいたプレシジョン・メディシン(注)」の推進
  •  ゲノム医療の実用化にかかせない「遺伝カウンセラー養成課程」を新たに開講

(注)プレシジョン・メディシン(精密医療):患者の個人レベルで最適な治療法を分析・選択すること

概要

同プランは近畿圏の国公私立大学の医学・看護学・薬学・理工学系の大学院研究科が相互連携し、大学院生などを対象に、多様化する新ニーズに対応した個別化医療を実践できるがん専門医療人を養成することを目的としています。

背景

わが国において、がん対策は社会問題であることから、この一環として、平成19年度(2007年度))、文部科学省大学改革推進等補助金事業「がんプロフェショナル養成プラン(がんプロ)」による多職種のがん専門医療人材の養成が開始されました。本プランは、平成24年度(2012年度)から、「がんプロフェショナル養成基盤推進プラン」へと発展的に拡充され、平成28年度(2016年度)までの5年間で、全国でがん専門医療人材養成のための教育拠点が構築されました。拠点である近畿大学は、阪神地区の医学、看護学、薬学系大学院研究科と連携して本事業に精力的に取り組んで参りました。過去10年間の成果は、がん専門医療人材養成のための教育・研究基盤の構築、多職種連携チーム医療および緩和ケアの推進等が挙げられ、本プランから輩出されたがん専門医療人が地域医療の場で活躍することによって、わが国のがん診療全体の質の向上に貢献しています。

近年、多様化するがん医療において直面する新たなニーズや課題への対応が求められています。「ゲノム医療」の実用化に向けては、ゲノム情報に基づくがんの個別化医療を実現するための基盤整備が課題であり、遺伝カウンセリング体制やゲノム研究の推進およびこれらに係る人材養成が必要とされています。「希少がん」および「小児がん」においては、専門医や医療機関等が不足していること、病理診断が困難であること、研究推進体制が不十分であること、小児がん患者・家族に対する医療や支援の提供体制の強化が課題であり、専門医およびチーム医療を実践できる人材養成が必要とされています。AYA世代、壮年層、高齢者といったライフステージごとに異なるがん患者の身体的、精神・心理的、社会的問題等に適切に対応することが課題であり、様々な支援や緩和ケアを実践し、「ライフステージに応じたがん対策」を推進できる医療人材養成が必要とされています。

本プランでは、3つのタスクフォース(TF)を立ち上げ、ゲノム医療、希少がんおよび小児がん、ライフステージに応じて生じる様々な課題等に対して取り組みます。具体的には、「TF1 ゲノム・サイエンス」では、遺伝カウンセラー養成を含めたがんゲノム医療を実用化するとともに連携大学間及び産学官共同研究を推進、「TF2 教育イノベーション」では、個別化医療実現のための革新的教育プログラムを開発、「TF3 マルチパートナーシップ・アライアンス」では、地域医療機関、自治体・公的機関、各種職能団体、患者会、NPO法人等との連携・支援体制を強化し、各タスクフォースが有機的に連携することによって、患者中心の個別化医療を実践できるがん専門医療人の養成をめざします。

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