理学部/理学系研究科パンフレット
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Interview理学系研究科長・理学部長前川寛和�教授真理を追究する想像力豊かな人材の育成をめざします。■大阪府立大学理学部・理学系研究科の 試み 大阪府立大学理学部・理学系研究科では、さまざまな新しい試みを実施しています。たとえば、理学部物理科学科では、「演示学生実験」というものを行っています。これは、創造力豊かな人材の育成をめざした、学生が自由な発想でものを作るという、いわゆるものづくりの実験で、理学部の全学科への拡大を検討しているところです。 また、理学系研究科では、大学院GP「ヘテロ・リレーションによる理学系人材育成」という、大学院生が海外の研究者と触れ合うことを目的としたプログラムが進行中です。想像力豊かな人材を育てる「演示学生実験」で地域社会にも貢献 必修科目の基礎演習、総合演習では、学生がアイデアを出し合い、色々なものを作って、小学生や中学生に紹介するということを行っています。中でも、『色オルゴール』は、2008年にキャンパスベンチャーグランプリ大阪エリアで新技術部門優秀賞、『サイフォン式液循環装置』は、2009年に大賞を受賞し、特許も出願しています。これが大学近辺でもかなり有名になっていまして、大学で演示学生実験を開催しますと、子供さんや御家族の方が大勢来られて、皆さん楽しまれています。 他にも直接学生が小学校や中学校に出かけて行くというデリバリー科学実験を行ったり、実験キットを作成し、それを配達したり、というようなことも始めています。 大学の地域貢献度ランキングで、大阪府立大学は66位から4位に浮上しましたが、演示学生実験はその大きなきっかけのひとつになりました。■私と理学との出会い 子供の頃から理科全般に興味があり、特に昆虫採取や植物採取が好きだったのですが、大学で勉強をするうちに、数ある講義の中で面白かった地球科学に興味を持つようになりました。大学の卒業研究では地球科学、特に地質学の研究をテーマにし、東北や北海道の山を一人で歩きまわり、地質図を作成しました。そこから私の研究はスタートしました。研究船で水深5000の世界へ:地球科学の現象を明らかにする 地球の表層部というのは、厚さ100キロメートル程度の十数枚の堅い板で覆われています。その板のことをプレートというのですが、プレートは互いに移動し地殻変動を引き起こします。プレートが沈み込んでいるところに日本列島があります。プレートの沈み込みは地震や火山活動など色々な現象を引き起こしますが、沈み込み帯内部で起こる地球科学の現象やそのメカニズムを、野外調査や海洋底研究で明らかにするという研究をしています。 具体的には、世界で一番深いマリアナ海溝のチャレンジャー海淵の周辺地域で「しんかい6500」という潜水調査船に乗り、実際の海底を見て岩石を採取し、その岩石の物理学的な解析を行って、その成因を調べるという研究を行っています。 研究船でマリアナ海域に行くと、いつもほっとします。マリアナの海っていうのは、本当に紺碧の青ですごくきれいですよ。潜水船で海に潜ると、魚やタコといった生物がたくさん見られます。水深5000メートルの海底でもナマコがはった跡がたくさんあります。interview

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