理学部/理学系研究科パンフレット
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21有機反応化学有機合成化学物理有機化学新しい有機化学反応の開拓と応用生物活性を有する天然有機化合物の合成研究高度にフッ素化された化合物の合成と応用分子科学専攻では、以下に示す3分野(分子創製科学、分子機能科学、分子解析科学)のそれぞれに関連研究グループを有機的に配置し、分子の構造と機能の解明、およびそれに指針を得た有用分子の設計と新たな機能創成をめざした教育・研究を行います。 前期課程では分子科学の基盤となる専門講義科目に加え、外国人のゲストプロフェッサーの英語による講義を受け、英語でのマンツーマンディスカッションを行う「サイエンスコミュニケーション」および、各自の研究テーマとその背景についての解説ならびに議論を行う「研究企画ゼミナール1」を履修します。後期課程では研究の企画・立案能力を鍛錬するために「研究企画ゼミナール2」を実施します。また、前期・後期課程のいずれにおいても、最先端の分子科学研究に参画することを通して高度かつ実践的な研究トレーニングを実施するとともに、「分子科学特別演習」により世界の分子科学の最新研究動向に習熟するとともにディスカッション能力を鍛錬します。 環境問題やエネルギー問題など人類が共通して直面する課題の解決に分子科学の果たす役割はますます大きくなっています。また、基礎科学の高度化に伴い、分子科学と既存の学問分野との間に、ナノ科学などをはじめとする様々な学際領域が急速に拡大を続けています。本専攻では、物質科学の根幹である分子科学の高度な専門的素養を修得することを中心にすえ、それらを基盤として新しい学際的な領域へも踏み込んでいくことのできる基礎力と、科学の応用面への視野とを身につけた人材を養成します。 大学院修了者の就職先としては、化学を中心に製薬、食品、バイオ、エネルギー、材料、環境関連などの幅広い諸分野の民間企業や、教員、公務員があげられます。後期課程では上述の各方面での就職に加え、国内外でさらに上級研究者としての研鑽を積み、大学や各種研究機関で職を得ることが期待されます。教授・柳 日馨 准教授・福山高英 助教・植田光洋教授・豊田真弘 助教・牧野泰士准教授・松原 浩 Department of Chemistry研究分野・研究室Research group Department of Chemistry分子創製科学分分豊富な炭素資源である一酸化炭素やアルケン、アルキンを用い、ラジカル種や遷移金属の特性を活かして、社会に有用な有機化合物を合成するための新反応の開発を行っています。さらに、新しい反応メディア(フルオラス溶媒、イオン液体)や反応デバイス(マイクロリアクター)による環境調和型(グリーン)化学反応の開拓にもとりくんでいます。有機合成化学の醍醐味の一つは天然有機化合物の合成です。私たちは、ヒトの病気の治療薬になり得るような生物活性を持つ天然有機化合物の中で、複雑な3次元構造を有する分子の合成に挑戦しています。さらに、天然有機化合物を効率よく合成するための新しい反応や方法論の開発も行っています。フッ素で高度に置換された有機物は一般的な溶媒や有機物と混和せず、新たな相(フルオラス相)を形成します。この性質(フルオラス性)を利用する新たな反応剤や反応場、および機能性材料の開発研究を行っています。

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