大学広報誌OPU Vol.01「新」
9/44

―人材教育にも熱心に取り組んでおられますが、その原点はなんだとお考えですか?すべての力は、内側から出てくるものだと思っています。モチベーションが最初にありきです。それさえ持てれば自ずと勉強し、正しいと思うところに突き進みます。たとえば、自動車産業は常に競争していて、いい車が出れば売れます。なぜ他社が売れるのか、いいヒントはないのか、そうしたことを知りたいと思う意欲が組織全体、会社全体に沸き上がってくると、会社がああしろこうしろと言わなくても、がんばる力が生まれます。そしてチャレンジして達成すると、達成したことによりさらにモチベーションを持って再びチャレンジします。それは会社にとっても、本人にとってもいいわけで、こうしたモチベーションが持てるような教育こそ大事だと考えています。―ご自身も”育てられた“という経験をお持ちですか?私は天才的リーダーでも、カリスマ的リーダーでもありません。ただ、私自身いろいろな修羅場をくぐり抜けてきましたが、その時々に手をさしのべてくれたり、足りないものを何気なく示唆してくれた上司がいました。人の恩恵を十分私は受けてきました。そこから得た教訓は、投資も大事だが、一人ひとりが成長することによって会社が成長するのが一番強いということです。人財教育について、私がひときわ強いメッセージを出しているのはそんな理由からです。―自らの成長のために、大学時代はどのように過ごせばいいと思われますか?大学は自分のバリューをあげる場所だと心得るべきでしょう。そのためにはアクティブに学ぶことです。やりたいことがあり、志があれば、一日も早くエネルギーをそちらに向けて、楽しい学生生活を送るといいでしょう。これからの世界は、日産もそうですが、『どこの大学か』は問われません。真の実力が問われる時代です。真の実力とは、沸き上がるような意欲、自ら難しい問題に挑戦しようという意欲、これがすべてです。そして、この力は自分で作るしかないのです。学生時代に養っておけば、将来の素晴らしい宝となるでしょう。―最後に大阪府立大学の学生に、メッセージをお願いします。大阪府立大学は大好きな大学でしてね、卒業生たちはいろんなところでどんどん活躍してほしいと思います。昔から、真面目な学生が多いというのが評判の大学でした。ボクトツとした面もありますが、それは長所です。底力、粘り強さ、へこたれない…、そういう強さを世界で発揮してほしいですね。わき上がるような意欲、難しいことに挑戦しようとする意欲、それこそが真の実力。この実力は、自分で作るしかない。OPU Interview ―グローバル社会の中で、何を学び、どう生きるのか。I8

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です