大学広報誌OPU Vol.01「新」
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平成17年4月、大阪府立大学は、府立の3大学を再編・統合し、新たに公立大学法人が運営する大学としてスタートされました。この1年、これまでの伝統を活かしながら、教育面の充実はもとより、文部科学省の現代的教育ニーズ取組支援プログラムや魅力ある大学院教育イニシアティブに3件の採択を受けられたほか、研究資金の獲得や産学連携の実績など、順調な成果を上げてこられました。大学誕生の初年度という制度の定着期にあって、いち早くこの改組をプラスの力とされたことは、南理事長をはじめ教職員の皆様のたゆまぬ努力の賜物と心から敬意を表します。大学は教育研究の拠点として「未来への投資」であり、短期間で一喜一憂することは厳に慎まなければなりませんが、私自身も「大学改革」の当事者として喜びに耐えないところです。大阪は今、着実に元気を取り戻しつつあります。歩みを遅らせることなく、経済、文化両面にわたる府民協働の取組みを一層進めていきたいと考えております。その中で、新しい府立大学には「知の拠点」として、その自立性、機動性をいかんなく発揮いただき、知識・技術や人材の創出を通じて、この元気に更なる弾みをつける先導役としての役割を期待しております。その方向としては、第一は、ナノ、環境、バイオをはじめ、これまでに培われた高いポテンシャルを活かし、地域産業の活性化に結び付けていただきたいこと。第二は、大阪府では、アジアの各都市と大阪が共に発展する関係を築くための取組みを進めており、大学の知の集積と交流の実績を活かし、国際交流の充実を図っていただきたいこと。第三に、地域に開かれた大学として、産学連携、市町村等との共同事業の展開など、地域再生の核となる役割を果たしていただきたいことです。今後は教育研究の充実はもとより、その成果を地域に還元する取組みを一層強化いただくことと期待しております。大阪府といたしましても、府立大学がこうした取組みを通じて、その存在感を高め、府民が誇れる大学づくりを一層強く進められるよう、教育研究環境の整備など、積極的に支援してまいります。大学間競争が激化する中で、これまでの輝かしい蓄積を活かし、府立大学の更なる発展を図られることを祈念し、OPUの創刊に当たっての「期待のメッセージ」とさせていただきます。大阪府知事太田房江「新しい大阪府立大学に期待すること」創刊によせて40

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