大学広報誌OPU Vol.01「新」
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産学官連携機構・理事菅野昌志Masashi Kanno大阪府立大学と東北大学金属材料研究所の学学連携による研究の推進!「知的財産ブリッジセンターのミッションは、常に意気高く、外に向かって打って出ること。この意識をしっかり持って大学と企業を結びつけ、停滞する大阪経済の再生とベンチャー誕生に、大きく貢献できる大学として社会に認知されたいと思います」先端科学イノベーションセンターは、国内外の先導的研究者との独自の共同研究を推進するとともに、公募型プロジェクト研究のサポートを行っている。ここには、量子線研究部門と未来領域研究部門があり、放射線、環境、バイオ、半導体などの先端研究では世界に誇る実績を上げている。先端科学イノベーションセンターの強味は、充実した設備と広いスペースを持つ附属の共同研究用の建物を所持していることだ。ここには放射線関連施設、半導体クリーンルーム、動物飼育施設をはじめとする最新設備がそろっている。共同研究施設では、大学で生まれた研究を種に、共同研究の相手を見つけ、この施設と資金を使って研究を仕上げていくことができる。これまでの共同研究は、民間企業から研究員と研究経費を受け入れ、本学の研究者と共同でプロジェクト研究を行うものが主流であったが、昨年、大学と大学がタッグを組んで共同研究を行う学学連携がこのキャンパスで始まった。大阪府立大学では、大阪府の「大阪都市圏金属材料・加工産業クラスター懇話会」の提言を受け、工学研究科内に「大阪府立大学金属系新素材研究センター」を設置し、金属材料分野の研究で世界有数の実績を持つ東北大学金属材料研究所と共同で研究と産学連携を進めることとなった。もともと東北大学金属材料研究所は青色発光ダイオードの高品質化や、金属バット用高反発素材の開発など、新製品開発に結びつく研究実績を持ち、新たな研究成果の実用化を意識した研究のあり方を探っていた。そこで注目したのが、金属製品製造では圧倒的な企業集積度のある大阪。平成18年度より、2大学の学学連携による研究と、大阪の中小企業との連携により、大阪を金属材料技術の一大拠点とする新しい試みが始まる。「学学連携も、これまでは国立大学同士、公立大学同士がやりやすいというイメージがありました。そんな壁を取り払おうという動きが実現したことでも、東北大学との学学連携は意味があります」共同研究も人的交流も、これからはボーダレスに行われるという確かな予感がある。この推進にも、先端科学イノベーションセンターは大きな役割を果たしていくことだろう。東京で多くの企業関係者を集めて開催された『大阪府立大学・新技術説明会』。放射線・環境・バイオ・半導体…先端的な産学官共同研究の拠点として。先端科学イノベーションセンター34

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