大学広報誌OPU Vol.01「新」
34/44

大学の持つ知識や技術を、積極的に産業界に移転、活用!いまOPUは、地域社会や大阪経済の活性化に貢献できる大学へ。産学官連携機構産学官連携体制3大学統合に際して設立された産学官連携機構。その目的は、大学に蓄積された知識や技術を社会に還元し、産業の高度化や新産業の創出に貢献するとともに、教育研究活動のさらなる活性化を図ることだ。産学官連携機構には、知的財産ブリッジセンターと先端科学イノベーションセンターが設置され、大学の新たなあり方を探りながら、アクティブな活動を繰り広げている。知的財産ブリッジセンターでは、大学が保有する特許や研究成果などの知的財産を活用して、関係機関と連携し、技術移転、地域産業の活性化に取り組んでいる。ここで特徴的なのは、さまざまなキャリアを持つコーディネーターたちの活躍だ。彼らはそれぞれの経験を生かし、学内での研究テーマの発掘、特許化、産業界へのオーガナイゼーション、企業と大学との共同研究の推進などに意欲的に取り組んでいる。最近のおもしろい事例として、産学官連携機構の菅野理事は、2月に東京で開催された『大阪府立大学・新技術説明会』をあげる。「ここでは、大学発のライセンス可能な特許(未公開特許を含む)を産業界の方々を前に発表しました。ジャンルで分けると、環境4、ナノテクノロジー3、新材料3、情報・通信5、電子デバイス2、バイオ・創薬6の計23の技術。それぞれの技術内容を開発者である教員が発表したあとは、コーディネーターとともに興味を持った企業の担当者の方との個別相談に入ります。マッチングできそうな企業とは、以後、コーディネーターが中心となって話を進めていきます」新技術説明会は初めての試みであったが、手応えは上々という。また、産学官連携機構では、立ち上げにあたって特許出願、共同研究、受託研究、大学発ベンチャーなどについて、数値目標を掲げて努力してきた。これは、大学が法人化されるまでは考えられなかった発想で、その成果は公立大学法人の中で大阪府立大学は「ダントツです」と菅野理事は語る。「出願特許数は、16年度は74件、17年度は90件を超える見込みです。平成22年度には年間100件を目標にしていますが、これは難なくクリアできそうです。このほか、大学発のベンチャーも今までに9社立ち上げました」日本の国公立大学が法人化され、大学運営にも経営的視点やマネジメント手腕が求められるようになった。学生数が明らかに減少したいま、生き残りのためには大阪府立大学の特長を生かし、生きる方向を明確に定める必要がある。また、大学間競争も熾烈化する中で、大学自身が外部資金を獲得することも必要になってきた。外部資金獲得という点でも、平成17年度は前年度に比べて、20%を上回るという高い実績を上げている。「これらの成果の原因は、意識改革が進み、大学のすべてのポテンシャルが上がったということでしょう」しかし、すべての学問や研究が、特許や受託研究等の外部資金を獲得できるわけではない。これらの分野の価値を認めることは重要であるが、科学研究費補助金などの獲得に一層力をそそぐことが必要であると菅野理事は語る。大学と民間企業との橋渡しに22名のコーディネーターが活躍!大学の意識改革と活性化は、確かなスピードで進んでいる。知的財産ブリッジセンター33高度研究型大学としての研究成果を社会に還元するためにOrganization for Industry, University and Government Cooperation

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です