大学広報誌OPU Vol.01「新」
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ーヤーに日常的に親しんでいるから、すぐに慣れます。卒業時には端末機は返却してもらいますが、自分で作ったデジタル看護辞典はコピーして残しておくと、仕事の現場でも役立つ資料になるでしょう」現在、第1次の教材制作が着々と進められているが、初年度は28の看護実践事例。次年度は30事例。そして、最終的には100の事例が教材に組み込まれる予定だ。教材は、対象者や看護場面をイメージしやすいように、音声、動画、静止画、イラストなどのマルチメディアを場面に応じて使用したものとなっている。すでに開発済みのプロトタイプを立ち上げ、ひとつの事例を選択してみよう。学習モード1で、登場者(患者)はどういう人物か自己紹介をし(たとえば、自分はコンピュータのプログラマーで忙しく、最近体調がよくない)、次に看護場面がでてくる。ここでは5つの設問があり(看護師のコミュニケーション方法などについて、学生は自分の考えを記入していく。それが終わると保存し、自分の答えが正しいのかどうかといった事例評価に進む。学習モード2では関連する知識(先ほどの事例では、腹部の触診など)や、国家試験の演習問題などを学習できる。また、看護師の国家試験に関連する問題も学習できる実践的な内容になっている。こうしたデジタル副教材は、たとえば看護技術の映像だけを取り込むといった再構成も可能で、二次利用することにより新しい教材の作成や追加も容易にできる。「eラーニングで予習をすれば、大学では教員が時間的な余裕をもって学生への指導ができます」臨地実習でも学生自作のデジタル看護辞典は効果を発揮するだろうが、それでもカバーできない場合には、教員とインターネットを使って連絡を取りあえる環境づくりも進められている。教材制作にあたっては、多くの先生方から時間をかけて作った看護実践事例が寄せられてきた。「システムという箱はできても、コンテンツがないとプロジェクトは動きません。このeラーニングは大阪府立大学看護学部の先生方の、いい看護師を育てたいという熱い思いの集大成でもあるのです」最後に看護師を目指す人へのメッセージとして、真嶋助教授はこう語った。「看護は楽しいですよ。人を癒す仕事で、自分も癒され成長できます。勉強は忙しくて大変だけれど、その価値は十分あると思います!」プロジェクト推進責任者のひとり中村裕美子教授(左)と、担当者の真嶋由貴恵助教授(右)。声優、ディレクターなどのプロも参加する教材の制作現場。既存の視聴学準備室を録音スタジオとして活用。大阪府大の看護学部だからできたこと!楽しく勉強できるデジタル看護事例教材「この教材のために、看護学部の先生方から一生懸命作られた膨大な看護実践事例が寄せられました。看護教育にかける『熱い思い』は、どこにも負けません!」Nursing多くの先生方が時間をかけて作った事例と教材原稿。いい看護師を育てたいという先生方の熱い思いが伝わってくる。看護学部・看護学研究科28

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