大学広報誌OPU Vol.01「新」
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備えた人材へと成長していく。このシステムを使えば、学生が課題に直面したときに、パーソナルLMS機能を備えたUSBメモリをパソコンに装着することで、簡単に看護eラーニング教材サーバーから事例教材をダウンロードできる。中でもユニークなのは、臨地実習前に必要な副教材をダウンロードして、自作のデジタル看護辞典を作成できることだ。「デジタル看護辞典を作成するプロセスで、学生は自学自習できますし、これまでに大学で学んだ知識の整理統合もできます。また、作ったコンテンツを、学生が自由に組み立て直すことができるので、ノートのような感覚で使ってもらえます」平成18年度より、学生にマルチメディア端末機が貸し出され、授業を通じてもeラーニングが自然に浸透していくような教育が行われる。「今の学生は携帯電話やマルチメディアプレ看護学部・看護学研究科真嶋由貴恵助教授Yukie MajimaProfile保健師・看護師、博士(工学)神戸市看護大学基礎看護学講座助手産業医科大学産業保健学部助教授を経て2004年~大阪府立大学看護学部人・環境支援領域看護情報学分野助教授CanGo(キャンゴー/「看護」と「できる」の意味を込めて)とネーミングされたeラーニング・プログラム。看護学生が簡単に利用できる環境づくり!看護学部の学生が、より効果的に学習できる新しい環境を提供「システムが定着すれば、いずれは卒業した看護職の生涯教育に使ったり、府の看護職にノウハウを提供したり、臨床の人たちも巻き込みながらさらにいい教材を作っていきたいと考えています。他大学にも発信したいですね」と開発担当の真嶋助教授は、この教育システムのさらなる広がりと可能性を語る。この4月には、第1次の看護実践事例学習用eラーニング教材が完成した。それと同時に、看護学生がいつでも、どこでも、簡単にeラーニングで学習できるユビキタス・オン・デマンド学習支援環境も構築される。これらにより、看護学生たちは4年間の学内外での学習機会を通じて主体的に学び、高度な看護実践能力を平成17年度の文部科学省の現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)の「ニーズに基づく人材育成を目指したeラーニング・プログラムの開発」部門で、採択されたのは14件。その中で看護教育に関するものは、大阪府立大学の1件のみ。日本の看護教育におけるユビキタス・オン・デマンド学習の先駆的役割を果たすeラーニング・プログラムは、平成18年度から学生の学内教育と臨地実習において試行が開始される。病院などで行う臨地実習は、看護実践能力を養うために非常に有効な学習機会で、学生たちは多くのことを学ぶ。しかし、実習施設はさまざまな場所に点在し、大学と同等の教育環境が整備されているというわけにはいかない。そこで、この臨地実習をeラーニングで補うことにより学習環境を整えるとともに、普段の学習の質を高めることもできるのではないかとの考えから、「看護教育とコンピュータを結びつける」新しい試みが始まった。他の看護系大学においても、個々に教材を作成しているところはある。しかし、大学・学部をあげて取り組み、開発したのは初めてだ。学生がオリジナルのデジタル看護辞典を作成学生が簡単に利用できる環境づくり現代GPに採択された『看護実践能力の獲得を支援するeラーニング』看護学部看護学研究科27

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