大学広報誌OPU Vol.01「新」
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高等教育機関が機能別に分化していき、個性や特徴を明確にしなければならない。大学の有する機能は中央教育審議会の答申にもあるように次の7つがあげられます。1世界的研究・教育拠点2高度専門職業人養成3幅広い職業人養成4総合的教養教育5特定の専門分野(芸術、体育等)の教育・研究6地域の生涯学習機会の拠点7社会貢献機能(地域貢献、産学官連携、国際交流等)私たちにとって、5はさておき、他の要素はどれもおろそかにすることはできません。中でも、1・2・7は重点的に取り組む課題であり、それが新しい大阪府立大学の個性になるものと考えています。4についても、学生が社会に出て、新たな課題に直面したときに、適切に解決できる能力や人間力を養うためにも大切な課題として認識しています。そして、大阪府立大学が目指すものは、次の4つのキーワードとしてとらえることができます。世界的研究拠点としての「知の創造」、高等教育機関としての「知の継承」、産学官連携による「知の活用」、公立大学法人としては重要な役割である「地域貢献」。その本格的な取り組みのために、専門部局である産学官連携機構や総合教育研究機構などを設置しました。学外からも理事を迎え、戦略的・弾力的な大学運営にも、いち早く着手しています。新しい大阪府立大学では、学生たちは可能性を切りひらき、21世紀社会をいきいきと生き抜く力が確実に身につくことを期待しています。平成17年度に、大阪府立大学、大阪女子大学、大阪府立看護大学が統合し、公立大学法人大阪府立大学として新たにスタートを切りました。特徴ある理系学部・学科の多い旧大阪府立大学、充実した古文書・貴重書コレクションでも知られた文系の大阪女子大学、先進の医療を担う専門職を育成してきた大阪府立看護大学。互いに異なった特徴を持つ3つの大学がいっしょになったことで、スケールメリットやそれぞれの魅力の相乗効果なども生まれ、キャンパス内外で新しいパワーを発揮しつつあります。新大学は、工学部、生命環境科学部、理学部、経済学部、人間社会学部、看護学部、総合リハビリテーション学部の7学部となり、6学部は博士課程まで整えた大学院研究科が設置されています。現在大学院のない総合リハビリテーション学部も、初めての卒業生を出す平成19年には大学院を設置する予定で準備を進めています。すべての学部に研究科がそろうのは全国の約700の大学の中でも数少なく、「高度な研究・教育」への取り組みがいっそう加速するものと期待されます。統合によって総合大学としての体制が強化され、幅広い教養教育・基礎教育と、高度な専門教育を徹底して行えるようになりました。私たちがめざすのは、「世界に通用する高度研究型大学」。今後は独創的で先駆的な研究・教育をさらに推進するとともに、産学官連携にも力を注ぎ、積極的に社会貢献していきます。本学での教育研究活動の質の高さは、教員一人あたりの論文発表数や特許取得数が多いことでも証明されています。それに加えて、国の「21世紀COEプログラム」や「現代GP」、「大学院教育イニシアティブ」などに採択される研究や教育活動も増えてきており、将来、研究者、技術者、高度専門職業人などを目指す人にとっては非常に魅力的な教育が受けられる大学といえるでしょう。新しい伝統をもつ魅力ある総合大学へ新しい大阪府立大学が目指すもの無限の可能性を広げる新時代の教育への取り組み10

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