大学広報誌「扉」
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教育審議会の文部科学大臣への答申にもあるように次の七つがあげられます。q世界的研究・教育拠点w高度専門職業人養成e幅広い職業人養成r総合的教養教育t特定の専門分野(芸術、体育等)の教育・研究y地域の生涯学習機会の拠点u社会貢献機能(地域貢献、産学官連携、国際交流等)これらを踏まえて、七学部六研究科を有する新しい大阪府立大学の個性をどこに求めるかといえば、t以外のどれもおろそかにはできません。いわゆる「レーダーグラフ」の放射状の図では、六つの要素がバランスよく分布して、大きな面積を描かなければなりません。中でも、qwuの項目が、原点からできるだけ遠くに位置することで、新しい大阪府立大学の個性となることを強く願っています。そして、大阪府立大学が目指すものを四つのキーワードとしてとらえることができます。世界的研究拠点としての「知の創造」、高等教育機関としての「知の継承」、産学官連携による「知の活用」、公立大学法人としては重要な役割である「地域貢献」です。本学ではそのために新たな組織・機関も設置され、対外的な取り組みも始まりました。今後は本学独自の個性をより一層確立し、戦略的・弾力的な大学運営を展開することで、あらゆる大学が二十一世紀の方向性を模索するといわれる大競争時代を勝ち抜いていきます。大学としての一番の使命は「知の創造」と「知の継承」だと私は考えています。本学では六学部に博士課程を完備した大学院研究科を有するという特長を生かして高度な研究に取り組んでいきます。本学の教員一人当たりの論文発表数や特許取得数も非常に多く、また「二十一世紀COEプログラム」に採択されるなど、研究内容も高く評価されており、将来、研究者・技術者を目指す人にとっては非常に魅力的な大学です。また、実学を重んじてきた伝統を生かし「高度専門職業人養成」にもさらに力を入れていきます。しかし一方では、学生たちが社会に出て新たな課題に直面したとき、適切に解決できる能力や人間力を養うことも大切な課題としてとらえています。そのため学部・学科を超えて、教養教育と基礎教育を提供する「総合教育研究機構」を設置しました。ここでは、国際社会で生き抜くための英語コミュニケーション能力の涵養、一般リテラシーということにとどまらない高度な情報教育の二つに特に重点を置いていきたいと考えています。「高度研究型大学」を目指すときに重要なキーワードとなるのは世界的な研究教育拠点の形成と高度専門職業人の養成です。南 努Tsutomu Minami 学 長Osaka Prefecture University3高度専門職業人の養成と教養教育の充実

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