教育PRO 平成30年2月27日
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6教育PRO(第3種郵便物承認)平成30年2月27日います。さらに、研究環境の向上をめざし、毎年度当初に部局長へのヒアリングも行っています。ダイバーシティ研究環境研究所は研究力向上、女性研究者支援センターは生活支援やワーク・ライフ・バランスの向上をめざしています。辻 私も2013年度から2年間、女性研究者支援事業担当の副学長を務め、大阪府立大学の多様な人材活用の一環として、女性研究者支援の必要性を強く認識しました。 私の専門領域の情報工学に例えると、コンピュータはハードウェアとソフトウェアで動きます。まずハードがないと何も動かないというので、保育所やトイレなどを整備する。でもそれだけではだめで、研究力をつけてもらうための研修や交流できるロジカルな空間など、いわゆるソフト面も整えようということです。その両方がないといけないと考えています。丸本 私のいる研究棟もトイレの数が男女同じになり、各階に整備されるようになりました。真嶋 トイレがきれいで清潔になっていったのは非常にいいことです。昨年度から学長たち執行部が先頭に立って、「女性の先生が増えた部局にはインセンティブを」という制度を作ってくださったおかげです。今年は総合リハビリテーション学、経済学、生命環境科学の各研究科に予算インセンティブがつきました。また、総合リハビリテーション学研究科や看護学研究科がある羽曳野キャンパスは女子学生が多いので、多目的トイレを2つ設置して下さいました。――トイレの整備に優先的にお金をかけるというのは、大学全体の意識改革がかなりあったのだと思います。大学運営方針に何か変化があったのですか。辻 法人になってからです。それまでは大のです。そのような活動を通して全学的な意識改革が徐々にできてきたように思います。最初のころは、女性の研究者ばかり優遇した逆セクハラだと批判もされましたが、10年くらい活動を続けてきて、徐々に意識が根づいてきたと感じております。 さらに、後進を育てすそ野を広げるために作ったのがIRISです。最初は17名のメンバーから始まりましたが、今年は40人もの院生が参加・活動してくれています。最初の頃は、男性の先生がトップの研究室だとなかなか活動を理解してもらえず、研究が中心の大学院生をそんな(IRIS)ところに出せないといわれたこともありました。 就活などで、企業などにアピールできる仕掛けを考えようと、活動実績書も出すようにしています。履歴書にも書けるし、メンバーにとってメリットがあるということで徐々に参加の輪が広がってきました。丸本 私がいる研究室も女性はひとりなので、更衣室も休憩室も使いづらいということがあります。実験で深夜まで研究することがあるのですが、様々な環境整備について私たち学生の声を届けようとしたら、女性研究者支援センターへお願いすればいいのでしょうか。真嶋 そうですね、ぜひ。伸び伸びと研究できる環境整備は大事です。例えば、毎年来られる新任の女性教員に対してヒアリングを行っています。学生の声はなかなか届いてこないので、是非とも声を届けてほしいと思います。 また、ダイバーシティ研究環境研究所では、女性研究者の研究力を高めていくことを主眼にマネジメント、英語論文作成、プレゼンテーション、外部資金獲得などの能力を向上するための各種セミナーを行って

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